2019年12月11日水曜日

ナカムラクニオ『村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール』

還暦を迎える年のせいか、高校の同期と会うことが多い。
会うとたまにBARBEE BOYS(バービーボーイズ)の話題になる。どうしてバービーボーイズなのかを説明するのは面倒なのでここではしない。「いまみちってすげえよな」「いまみちはChar(チャー=竹中尚人)よりギターうまいよな」とかそんなたわいもない話だ。
たしかに80~90年代にかけて、バービーボーイズは一世を風靡した。この手の音楽に関しては詳しくないが、ギターとベースそしてドラムとボーカルのKONTA(近藤敦)が奏でるサックスとシンプルな楽器構成なのに音に厚みと深みがある。
それと同時にどことなく昭和のにおいを感じる。なんといっても杏子とKONTAのツインヴォーカルがいい。ハスキーな杏子と伸びのある高音を持ち味とするKONTA。歌詞は現代風だけれど(当時としては)、どことなく昭和歌謡を思わせる。木の実ナナと小林旭のデュエットをロックに乗せたら、きっとこんな感じなんだろうな。新しさのなかになつかしさがあった。
間奏のあいだにKONTAがサックスを鳴らす。杏子は激しく踊る。学生時代に出会ったテツandトモはそのライブを見て、なんでだろう~を発案したという。もちろんこれは嘘である。
村上春樹の文章を丹念に読んでいるんだなというのがこの本の感想。でも村上春樹のような文章を書いたところで村上春樹が書いた文章じゃないからね。ためになるようなならないような、そんな本だ。
いまみちともたかはCharよりギターがうまいという発言に関しては、個人的に納得していない。僕が通った中学校の向かいにある都立高校に伝説のギタリストがいた。校門にはいつも女性ファンが待ちかまえていた。背中にCharと刺繍されたジャンパーを着ていた竹中尚人は地元品川の英雄だ。Charを超えるギタリストなんて、そんなものがいたらお目にかかりたいね。品川区民はみんなそう思っていたはずだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿