2009年5月25日月曜日

『三島由紀夫レター教室』

東京六大学野球春のリーグ戦は、打力好調の法政と若い投手陣で勝ち残ってきた明治の争いとなった。
慶応は主戦中林が孤軍奮闘したが、力及ばす。秋の巻き返しを期待したい。早稲田は投手陣は充実しているものの、大一番の法政戦で斎藤、大石が打ち込まれ痛い勝ち点を落とした。松本、細山田、上本の抜けたあと、確固たる守備体型をつくれていないのが大きいのではないか。土生は外野で使うのか、宇高はショートなのか、サードなのか、松永はセカンドか、ショートか。下級生の渡辺郁、松本も含め守備位置を固定して、レギュラーを競わせなければ、秋もこのままずるずると優勝できないままではないだろうか。
ついさきほど、法明2回戦は終わったようだ。今季を象徴する打線の勝負強さで、法政のサヨナラ勝ち。救援の1年生三嶋が3勝目をあげたようだ。ベストナインの投手部門は選出が難しい。
みしま、といえば字が違うが、三島由紀夫は、その研ぎ澄まされた言語感覚のせいで読み手に緊張感を与える作家のひとりだと思っている。この作品の存在は本屋で見かけるまでついぞ知らなかった。おそらくは啓蒙的な視点で書かれた文化センターの教養講座のテキストのような本だろうと思って読んでみたが、随所に光る表現がちりばめられ、さすが三島は、こんな女性週刊誌の連載(と、けっして女性週刊誌をさげすんでいるわけではないが)にも天才の誉れ高い文章を掲載するプロフェッショナルだと再認識した。


2009年5月7日木曜日

わぐりたかし『地団駄は島根で踏め』

久しぶり、である。
世界卓球も無事に終わった。
男子単は王皓が実力どおりに勝つことができ、ついに世界の頂点に立った。ベスト4に残った馬龍、王励勤、馬琳とは力はかなり拮抗していたが、本人の言うとおり、心の準備がしっかりできていたということだろう。次回王皓を破るとすればおそらく馬龍のはず。松平健戦で消耗したにもかかわらず、準決勝まで順当にきた馬琳、ディフェンディングチャンピオンとして恥ずかしくない卓球ができた王励勤も評価したい。とにかく中国は強い。都道府県大会でひとつふたつ勝つのがやっとの高校と青森山田が試合するくらいの差があるといってもいいだろう。
女子単は張怡寧が順当勝ち。郭躍も強いが、張怡寧が万全なら付け入る隙はない。張は卓球選手を超越した体力と運動センスを持っている。ただ「卓球が強い」、「卓球がうまい」だけでは勝ちきれる相手ではない。
それにしても過熱報道で大いに盛り上げてくれた某テレビ局。最後の決勝戦では、郭躍を「中国の愛ちゃん」と言っていた。それってどうよ?むしろ福原がいつの日か「日本の郭躍」になってほしいものだ。
あ。
で、この本は語源をめぐる旅の本でね。著者は放送作家であるらしく、番組制作のノウ・ハウが随所に活かされていて、よくまとめられている。内容的にはテレビ番組か、趣味のウェブサイトでもいいかなとは思うけれど。