2012年8月20日月曜日

佐々木俊尚『2011年新聞・テレビ消滅』


甲子園はベスト8が出そろった。
今年は比較的組合せ抽選の際、有力校がばらけたとはいえ、2季連続準優勝の光星学院と昨秋、今春の九州王者神村学園が2戦目で当たるなどくじ運も重要な要素となる大会であることに変わりはない。
8強の顔ぶれを見るとやはり強いチームが勝ち残っている。予想外だったのは激戦区である東海地区の愛工大名電と県岐阜商が初戦で姿を消したくらいか。前評判の高かった聖光学院、神村学園といった地方で勝ち続けている学校が早々と甲子園を去ったのはやはり勝ちにつながる負けを経験していなかったこともあったのではないか。その点光星や大阪桐蔭は敗戦を通じて成長してきたチームといえそうだ。浦和学院も春の県大会での敗戦があったからこその16強ではないだろうか。そういった意味では連覇に挑んだ日大三にも淡い期待を持つことができたが、如何せん初戦の相手が強すぎた。秋からの新チームに期待したい。
それにしても神奈川桐光学園の快進撃はすばらしい。神奈川県勢は選抜でかろうじて横浜が選ばれたが、昨秋、今春ともに関東大会で不振だっただけに予想外の健闘だ。やはりマンモス予選が代表校を着実にレベルアップさせるのだろう。明日の準々決勝が今から楽しみだ。
『「当事者」の時代』を読んで、佐々木俊尚をもっと読んでみたくなった。とりあえずはこの話題作から。すっかり読んだつもりでいたが、まだ読んでいなかったのだ。残念ながらと言おうか、幸か不幸かと言おうか2011年に新聞もテレビも消滅はしなかった。
ただ変化は着実にしのび寄っている。消滅しなかったのは、消滅させない力がかろうじて働いているだけだ。

倉下忠憲『EVERNOTE「超」知的生産術』

今回のオリンピックはあまり観なかった。
柔道と卓球の団体戦くらいだろうか、ライブで観戦したのは。
卓球男子単は世界選手権に続いて張継科が優勝。王皓は3大会連続の銀メダルに終わった。王皓という選手はペンホルダーの裏側にラバーを貼って、そこからも強打を繰り出す、いわゆる裏面打ちペンホルダーの選手。中国はもちろん、日本でもこのタイプのプレーヤーは少しづつだが、増えている。
ペンの弱点であるバックハンド側に来た下回転のボールをドライブ打ちするために考えられた裏面打法自体はそれなりに歴史があって、中国では名選手を生み出しているが、王皓のそれはちょっと違う。それまでの裏面打法の選手は守備的なショートはフォア面を使い、下回転に対するドライブやチャンスのときの強打にのみ裏面を使ってきた。馬琳や韓陽がそうだ。それに対し、王皓はショートも含め裏面を多用する。つっつきも裏面を使うことがある。そういった意味では王皓はニュータイプの裏面ペンホルダーのプレイヤーなのだ。
王皓は前々回の世界選手権でようやく優勝したものの、その後の若手の台頭に苦戦が続いていた。そして今回のオリンピック。3大会連続の銀メダルは3大会連続で決勝で敗れるという屈辱ではなく、3大会にわたってオリンピック男子シングルスの出場枠を勝ちとった結果であり、長年にわたってニュータイプの裏面ペンホルダーというパイオニアでありつづけた結果でもある。
いずれ王皓をプロトタイプとしたすぐれた選手が出てくるだろう。王皓が真に評価されるのはそのときだと思っている。
今回読んだのはEVERNOTEに関する本。この記事の下書きもEVERNOTEを使って書いてみた。