2014年7月20日日曜日

小林弘人『Webとはすなわち現実世界の未来図である』

南房総に行ってきた。
以前書いたかもしれない。またこの地域に限った話でもないのかもしれないけれど、南房総の鉄道の旅は衰退しつつある。
特急さざなみ号やわかしお号の本数が極端に減ったというわけでもなかろう。特急列車は朝晩を中心に何本か走っている(かつては夏休みになると夏季ダイヤといって、臨時の特急列車が増発された)。
房総方面は道路がよくなった。アクアラインの開通で内房方面が便利になった。またアクアラインを起点にして鴨川、勝浦方面も便利になっているにちがいない。東京駅でバスに乗る。空いていると2時間半で南房総の千倉町や白浜町に到着する。もちろん連休最終日の上り、なんていうとちょっとした渋滞に巻きこまれる。アクアラインによってもたらされた便利さは誰にも平等だからだ。4~5時間かかることだってある。それでもバスが鉄道以上の人気を誇るのはやはり乗降が楽なことと、値段だろう。時間通りに行かない移動はあまり好ましくは思わないが、それを上回る利便性と安さがバスにはあるのだ。
Webが現実世界の未来図とは実にうまく言ったものである。リアルはどんどんバーチャル化している。「これコピーして関係スタッフに配っておいて」なんて言い方をせず、「これシェアしておいて」などと言って、複写機でコピーなんかしないでファイルをメールに添付する。古本屋や図書館に出向いて資料を探したりなどしない。センスのいいビジュアルアイデアを収集する人はグラフィックデザインのセンスを持つ人ではなく、検索ワードをたくみにあやつれる人だ。
こうして考えていくとこれからのビジネスのヒントはネット上にあるといえるかもしれない。ただアイデアというのは組合せであるから、Webを駆けずりまわっても答は自分でつくるしかないだろうけど。
この本は実によくネット社会がリアル社会をリードしてきたかを整理している。忙しくてクリス・アンダーソンや佐々木俊尚を読む暇がないという人もこれなら読めると思う。
ということでこのあいだ無事、父の一周忌を南房総の町で済ませてきたのだ。

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