2022年8月15日月曜日

太宰治『惜別』

8月もあっという間に半ばに差しかかり、甲子園もいよいよ三回戦。
先日、友人の四日市俊介が早朝の東海道新幹線に乗って観戦に行ったという。3年前、すなわち新型コロナ感染拡大以前にはよく野球の試合を観に行ったが、最近はとんとご無沙汰である。調べてみると最後に観た試合は2019年の明治神宮野球大会。高校の部準決勝、中京大中京対天理である。翌年春の都大会はまだ感染拡大防止のためのルールづくりが決められていなかったので観戦することはできたのだが、私的に都合がつかないまま、緊急事態宣言が発出されたのである。
さて、今夏の甲子園。注目は当然、大阪桐蔭である。昨秋近畿大会(大阪府予選も含めて)優勝、明治神宮大会優勝そして今春の選抜大会も優勝。春季近畿大会は決勝で智辨和歌山に敗れたものの、ここまで公式戦の負けはこれだけ。このまま夏を征すれば、1998年松坂大輔がいた横浜以来の秋春夏連覇となる(ちなみに横浜は春季関東大会も優勝していて、公式戦無敗だった)。
「巨人の星」と「あしたのジョー」は少年時代の愛読漫画だった。原作は梶原一騎、高森朝雄(これは同一人物である)で作画は川崎のぼる、ちばてつやだった。ここのところ暇があると太宰治ばかりを読んでいる。先日『お伽草子』を読みなおしてみて、太宰という小説家はある意味、劇画家ではないかと思った。もちろん自分のオリジナル作品も多く書いているが、原作を与えられて自分なりに解釈を加え、脚色することで俄然おもしろい作品にしてしまうすぐれた能力を持っている。自身の原作だとどうしても身のまわりの日常や思い出にとどまってしまう。それはそれでおもしろいのではあるけれど、原作に対して作画することで彼の語り部としての才能が遺憾なく発揮される。
「右大臣実朝」をはじめて読んだ。なかなかの力作である。やはり劇画家として書いた「走れメロス」が今だに読み継がれているのがわかる気もする。

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