2022年8月7日日曜日

太宰治『お伽草子』

先月、軽井沢にオープンしたカフェ・ギャラリー軽井沢はなれ山クラブ
第一回の展示を終え、7月24日から第二回ケン・ドーン展が開催されている。ケン・ドーンといえば1989年からマガジンハウスの雑誌「Hanako」の表紙イラストレーション(ロゴデザインも)を10年に渡って描き続けたオーストラリアのアーティストである。当時20~30代だった者たちにはたいへんなつかしい。
初日に軽井沢まで出向いてケン・ドーンのまばゆいばかりのイラストレーションを観た。真夏のシドニー湾に陽光がふりそそいでいる。ちょうどHanako時代の作品であろうか、30年前のにおいがする。軽井沢の小さなギャラリーがこれほどまでにシドニーの夏色に染められているなんて外からは想像もできないだろう。
展示作品はシルクスクリーンで刷られたものでおそらくそう多くは残っていないはずだ。訊いてみると原画も残されているかもわからない。もしかするとケン・ドーン最後の90年代になるのではないだろうか。
ケン・ドーンは1940年生まれ。今年で82歳になる。まだまだ元気で創作活動を続けているという。90年頃、彼はセイコー電子工業(現セイコーインスツル)という日本企業のテレビコマーシャルに出演している(セイコー電子工業はかつて第二精工舎と呼ばれ、亀戸に大きな工場を持っていたと記憶している)。オーストラリアに撮影に行ったスタッフの話を聞いたことがある。もともとケン・ドーンは世界的に著名な広告会社のアートディレクターだったこともあり、制作者の意図やねらいをすぐに理解してくれて、撮影はなごやかな雰囲気に包まれ、いたって順調だったという。
太宰はこの短編集を防空壕のなかで書いたという。すぐれた語り部としての太宰にうってつけの仕事だったに違いない。
ケン・ドーンと太宰治。ほぼ接点はないが、ここまで書いてしまったので、このままアップするとしよう。

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