2023年1月24日火曜日

橋爪 大三郎,大澤 真幸,宮台 真司『おどろきの中国』

浅田次郎の『蒼穹の昴』はたいへんおもしろい小説だった。続編もあるというので楽しみにしている(次に読むのは『珍妃の井戸』だ)。
清朝末期の政変が舞台となっているが、そのあたりの詳しい歴史は知らない。そもそもが中国のことをよく知らない。ただでさえ、清朝末期の歴史は複雑でわかりにくい。列強との小競り合いがあり、内乱があり、新国家建設のための革命が起こる。ウィキペデアで読んだだけではちょっとやそっとじゃ理解できない。どうせなら浅田次郎を読みながら学ぼうと思った。楽しみながら苦手な歴史を学ぶのだ。なかなかいい思いつきではないか。
中国の歴史小説を読んでいくついでに昔読んだこの本をもういちど読み返してみようと書棚をさがしてみた。見つからない。読書メーターによれば2013年3月に読み終えている。
中国という自己中心的な国家が歴史的にどう形づくられ、今に至っているかを識者が解き明かすといった内容だったと思う。この本自体は10年前に上梓されている。今の中国の状況とは多少異なるが、やがて中国が強大な国家として世界に君臨するという想定の上で議論されていたと思う。などと憶えているようなことを書いてはいるが、再読したわけではない。10年前に読んだというあてにもならない記憶を綴っているだけである。なんとも情けない話である。
情けないといえば、年頭、岸田首相が記者会見を行った。賃上げを実現したい。(政府もそのための施策を検討するのだろうが)経済界にも物価上昇率を上回る賃上げの協力をお願いしたいということを語っていた。賃上げを実現するために企業の方々に賃上げをお願いするという無策な会見にびっくりした。経済界が、中小企業も含めてすべての企業が賃上げを実現できるような環境をつくるのが一国の首相の務めなのではないか。経済界にお願いすればほいほいとできてしまうのか、賃上げって。
おどろくべきはお隣の国ではなく、わが国である。

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