2022年2月2日水曜日

太宰治『斜陽』

若い頃は寒さなんてへっちゃらだったのに、歳を重ねたせいか、冬の寒さにはめっぽう弱くなった。ましてや今年の冬は寒い。偏西風が西から東に吹いてくれればいいのに今年は蛇行しているので大陸から寒気が日本列島を包みこむように南下してくると気象予報士が解説していた。ただでさえ日々老化(あるいは劣化といっていいかもしれない)しているのに、こう毎日毎日寒くちゃたまったものではない(夏の暑さもだ)。
朝、目がさめる。何時かはその日によって異なる。だいたい6時とか7時とか。目がさめて暗いときもある。時計を見ると5時過ぎだったりする。目がさめて最初に思うのはトイレに行く必要があるかないかである。大丈夫と思えば、二度寝するし、必要ならトイレに行く。トイレに行くにはパジャマのままでは寒いから、ライトダウンを着るなどそれなりの準備が要る。用を済ませたら、洗面所で口をゆすぐ。そして二度寝態勢を整える。すぐに寝入ってしまうこともあるが、たいがいはいちど起きてしまうとなかなか難しい。こういうことが年寄りの特徴なのかもしれない。ラジオを聴いたり、読みかけの本を開いたりもする(厳密にいうと電子ブックリーダーなので電源をオンにする)。それでもなかなか深い眠りは訪れない。たまに10時近くまで寝入ってしまうこともあるが。
角田光代の読書案内的な本を以前読んだ。
角田は『斜陽』を十代の頃読んだそうだが、まったく感情移入できなかった、みたいなことを書いていた。歳を重ねて読みなおしてみてようやく理解できた、みたいなことも書いていた。
40年ぶりに読んでみた。世にいう名作だからといって、誰もが読むべき本なんて、ほんのわずかしかないんじゃないかな。太宰治で読むなら『津軽』と決めている。もう何度も読んで何度も泣いている。歳を重ねて読みなおしてみたい作品もあるだろうが、今の僕は没年の太宰より半世紀近く年上になってしまった。

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