2021年10月24日日曜日

井伏鱒二『漂民宇三郎』

8月のお盆はコロナ感染拡大のため例年行っている墓参りをやめた。9月のお彼岸のときでもと思ったが、それも行きそびれて結局10月になってしまった。南房総に向かう高速バスはコロナのせいかずいぶん便が減っている。行きは館山まで高速バス、JR内房線に乗り換えて千倉、千倉駅前から路線バスでと考えていた。高速バスから鉄道に乗り換えるのであれば、平日のほうがいい。休日だとどうしても道が混む。時間どおりに館山に到着できない場合もある。
前日に従兄に電話してあった。千倉駅まで迎えに来てくれるという。15分ほどで千倉町の大川という集落にたどり着く。6月に他界したもうひとりの従兄に線香をあげる(当然のように葬儀には行っていない)。迎えに来てくれた従兄の家に移動して、伯父と伯母に線香をあげ、コーヒーをご馳走になる。隣集落の白間津にも従兄が暮らしている。車で送ってもらう。白間津の従兄の家でも線香をあげて、祖父母が眠る寺に向かう。朝から冷たい雨が降っている。ここまでは母方の親戚。
寺から下りてもう一軒訪ねる。ここは父方の叔母がいる。さらに隣の集落、白浜町乙浜にもうひとり叔母がいる。乙浜の叔母に電話をして迎えに来てもらう。乙浜には父の実家があり、墓もある。父と親戚の墓をまわってひと段落である。順調に墓参りを済ませられると15時過ぎの東京駅行きの高速バスに間に合うはずだったが、その便はなくなっていた。天気がよければ掃除でもして夕方の便で帰るのだが、あいにくの雨である。叔母に千倉駅まで送ってもらい、そのまま2両編成の電車に乗って帰る。途中君津で快速に乗り換え、18時過ぎに帰宅。今年もようやくひと心地着いた。
車中、『漂民宇三郎』を読む。井伏鱒二も漂流ものを書いていたと知ったのは最近のこと。そういえば『ジョン万次郎漂流記』も井伏鱒二だったっけ。吉村昭とちがって、緊迫感があまりない。それはそれで読みやすくていい。

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