2020年8月18日火曜日

大橋一慶『ポチらせる文章術』

このブログのシステムが変わったのかどうか知らないが、最近改行すると、一行分スペースが空く。別にそれで困ることもないので放っておいている。かえって読みやすくなったのではないかとも思う(さほど多くの読者がいるとも思えないのだが)。
以前、広告会社に在籍していた。上司だった某氏のアドバイスを今でもおぼえている。どんなに一人前になっても(いまだにその意識はないが)、ときどき広告の本を読め、月に一冊は読めと。そんなわけで好き勝手に読書するかたわら、たまに広告の本を読む。小難しいマーケティングの本や、字を追っただけではわからないアートディレクションの本ではなく、圧倒的にコピーライティングの本が多い。若い頃からコピーを書くことにコンプレックスを感じていたせいもあるかもしれない。某氏の名前は齋藤多加緒だ。今ふと思い出した。
話題の広告キャンペーンを手掛けたり、大きな広告賞を受賞したクリエイティブのビッグネームの著作が多い。結局、本なんてものは、世の中に流通する情報の多くと同様、どんなことが書いてあるかより、誰が書いたかで話題になるからである。
この本の著者は知らない人である。市井のコピーライターなどといっては失礼か。とりわけ、「宣伝会議」や「ブレーン」に取り上げられるようなビッグキャンペーンを仕掛けたビッグネームではない。ビッグな広告会社にいて、手のまわらない仕事を再委託していたような人でもない。地道に(と言ってはさらに失礼に当たるかもしれないが)コピー=広告文案の効果と可能性を実践し、一般の人に説く。こんなことを言っちゃなんだが、ビッグネームを講師陣に並べただけのコピーライター講座より、もしかしたら役に立つだろうとも思える。
古書店で少し気になるタイトルを見つけて、読んでみた、あるいは、出張で訪ねた地方都市のさびれた映画館でどんな映画かわからないのについつい観てしまった、そんな感じの一冊だった。

※改行スペースが空く現象は書式をクリアすることによって解決された(2020年11月17日)。

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