2020年6月3日水曜日

橋口幸生『100万回シェアされるコピー』

緊急事態宣言が解除されたが、日々の報道では新たな感染者も増えている。で、相変わらず在宅勤務を続けている。特に対面で打ち合わせを必要とする作業もなく、iPadで絵を描いたり、PowerPointで絵コンテを組むなどほとんどの仕事がデスクワークだから支障はない。アイデアが浮かばないときは気晴らしに本を読んだり、音楽を聴いたりしている。傍から見たらさぼっているように見えるが、会社のデスクにいても同じような状況なら同じようなことをしている。
ずいぶん前からテレビコマーシャルの仕事よりもyoutubeで流す動画の仕事が増えている。どうしても15秒で表現しなければならないわけではないので、思いのほか自由に発想できる。もちろん制作予算もあってのことだから、何でもできるということでもない。予算にはまらないのでいいアイデアなんだけど、今回はナシだなあなどと言われるのが、やはりベテランと呼ばれるような歳になっているだけに避けたいところでもある。逆の見方をすれば、制作費のことまで気を遣ってたいしておもしろくもないアイデアばかり提案するつまらない大人になってしまったということだ。
テレビであれば、青汁だのコンドロイチンだの大きな声ではりさけべば、好意を持つかどうか、買うか買わないかは別にして一応広告の役割を果たすだろう。放映予算をつぎ込んでオンエアを増やせば、いい目立ち方かどうかは別にして印象にも残るだろう(どことは言わないけれど、よく見かける青汁のコマーシャルはもったいない。期待している購買層に有効な手法なのかもしれないが、あの“押し出し”の強さには辟易する)。
ウェブにだってなかば強制的に視聴させるやり方があるにはあるが、視たくない人に大量投下するというのは芸がない。そもそもウェブはそんなメディアではない。
やはり、だいじなのは“ことば”だと思う。いちばん安上がりで効果的である。そしていちばん難しい。

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