2019年5月28日火曜日

平松洋子『食べる私』

今年は還暦を迎えるということらしく、まわりが騒がしい。
高校同期の仲間から突然連絡が入り、飲み会が催されたり、部活のOB会では記念品(といっても赤いポロシャツ)贈呈というセレモニーがあって、今年は壇上に上がらされる。ふつうの会社員なら定年退職だ。実際誕生月以降は給与を半減されて延長雇用となる友人も多い。もちろん本当のところはわからない。月給が半分になっちゃうんですよと言えと言われているだけでほんとは今まで以上にもらえるのかも知れない。収入のことなんか本人以外にわかるはずがない。
僕が30歳になる少し前まで定年は55歳が普通だったと記憶している。それが60歳になって、そのうち65歳になり、いずれ70歳になるだろうなどといわれていた。延長が制度化された企業も多く、実質65歳定年というのはほぼ実現されているといえるだろう。60歳ないしはその前の段階で会社に見切りをつけて、個人事業主となる人も多い。これまで長く培ってきたスキルや人脈を活かして独立しようという発想である。たしかに今まで一生懸命働いてきた人が急に仕事を辞めてしまうのは心と身体によくないだろう。
いずれにしても歳をとることをあまり根詰めて考えてもいい方向に道は開けていかないような気もしているので、なるようになるだろうくらいの気持ちでいる。
平松洋子の本といえば、本人がおいしいものを食べて語ってもらう、何々をどこどこでというシリーズをよく読んだ。シズル感のある文章が素敵な人だと思った。年齢も近く、背景に同じものを持った人だということも印象をよくしている。
この本は食をめぐる本格的な対話(対談、座談ではなく対話だとあとがきに綴られている)だ。さまざまな分野の方々と会って、食をめぐる話をくりひろげる。その守備範囲は広大で読みながら人によってはどこにフォーカスを合わせていいのか少し戸惑う。どちらかといえばもう少しお気楽な食べもの談義の方が好きだ。
つまらない話をしてしまった。

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