2015年2月5日木曜日

芝木好子『春の散歩』


江東区の塩浜にスタジオがある。
撮影から編集、録音までひととおりの設備をそろえているので使い勝手がよく、ときどき利用する。とはいうものの塩浜という地は交通の便がよくない。そのスタジオは東京メトロ有楽町線豊洲駅、同東西線門前仲町駅、木場駅、JR京葉線越中島駅と4駅利用可なのだが、どこから行っても10分以上歩く。歩くことは今のところ苦にならない。むしろ駅から遠いのをいいことに寄り道したり、帰りに道草を食うことを楽しんでいる感がある。
先日も三日続けてスタジオに入った。昼までに来ればいいということだったので、最初の日は新富町駅で降りて、佃大橋をわたり、佃島から石川島を散策。相生橋をわたって越中島に出た。ここからがいわゆる深川である。かつての東京商船大学(今は東京水産大学と統合して東京海洋大学というらしい)の構内をぶらぶら歩きながら浜園橋をわたればそこは塩浜だ。
翌日も午前中時間が空いたのでこんどは木場駅で降りたあと洲崎をまわった。洲崎という地名はもう残っていない。かつての洲崎遊郭のあった島は四方をほぼ埋め立てられて、東陽一丁目となっている。
洲崎は何年か前にも訪れたことがあるが、その頃まだあった特飲街の名残のような建物はもうなかった。川島雄三監督「洲崎パラダイス赤信号」に出てくる千草という飲み屋のあとを見、洲崎神社(映画では弁天様と呼ばれていた)をまわってスタジオに向かった。
洲崎に行って、以前読んだ芝木好子のエッセーを思い出した。
貝紫の話、四季折々の風景、旅の思い出などが軽妙につづられていた。
おそらく絶版になっているであろうこの文庫本を荻窪の古書店で見つけた。ラッキーだった。この古書店ではときどき芝木好子の文庫が見つかる。
芝木好子は浅草生まれだが、戦後はずっと高円寺に住んでいたという。そんな地の利もあったのかもしれない。
スタジオ三日めは朝早かったので寄り道はしなかった。

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