2005年2月14日月曜日

アーウィン・ショウ『はじまりはセントラル・パークから』

これまで読んだ長編は、『真夜中の滑降』、『ビザンチウムの夜』、『夏の日の声』だからアーウィン・ショウの長編はこれで4冊目ということになる。

ショウはすぐれた短編小説家という印象が強いが決してそれだけではない。長編においてもその都会的なペーソスや現代人の機微が持続されている。長編であるがゆえにそれはいっそうかなしいものになる。本当の幸福とは何なのかをショウは、この作品の中で追い求めたような気もするし、そんなものははじめからなかったのだといいたかったのかもしれない。

書棚には『ルーシィ・クラウンという女』という長編が眠っている。和田誠さんの装丁も気に入って5年ほど前に買った本だ。この次に読むショウの長編はおそらくこの本になるだろう。
(1993.4.24)

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