2016年12月18日日曜日

所澤秀樹『鉄道フリーきっぷ 達人の旅ワザ』

その昔、茶色い電車が走っていた。
山手線や中央線が近代的でカラフルな電車が走るようになっても、京浜東北線は導入が少し遅れた。スカイブルーの電車が運行するようになったのは1970年くらいからか。その後、茶色い電車(どうやら72系というらしい)はどこか他線区にまわされたのかもしれない。くわしいことはわからない。もしかすると南武線で使われていた電車がそうだったのだろうか。高校のグランドが南武線の沿線にあって、乗る機会があった。
鶴見線には90年代の半ばまで茶色い電車が走っていた。12系というそうだ。どこからともなくそんな情報が入り、一眼レフカメラを下げて見にいった。はじめて乗った鶴見線である。
行く先々で枝分かれしていく不思議な線で、工場の敷地とつながっていて一般の乗客は下車できない駅もある。いずれ京浜工業地帯に物資と人を送りこむ産業路線であったのだろう。
この著者は鉄道関係の著作が多い。以前『時刻表タイムトラベル』という本を読んでいる。
全国津々浦々のフリーきっぷを紹介する本かと思っていたら、首都圏で入手の容易なフリーきっぷの活用事例を紹介している本だった。
週末JRで400円くらいの区間を往復する。迷わず都区内フリーパスを購入する。途中駅で下りて、大型カメラ量販店をのぞいたり、中古レンズのお店をのぞく。往復するだけで元が取れる。トクした気分になる。平日、打合せで出かけることが多い日には東京メトロの一日乗車券を買う。
著者はJR東日本の週末パスで東日本を駆けめぐる。方々を乗り歩いた経験が随所に生きている。うらやましい。いつか両毛線、水戸線、水郡線、磐越西線経由で新潟まで行ってみたいと思っている。
ところで鶴見線にも数年前までぶらり鶴見線パスという粋なフリーきっぷがあった。最近はとんと見かけないが、時期限定で今も発売されているのかもしれない。あらかた無人駅の鶴見線でフリーパスもどうかとは思うけれど。

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