2011年8月30日火曜日

樋口一葉『にごりえ・たけくらべ』


8月の最終週にして9月のはじまりの週。今週はやけにハードだ。
進行中の企画が4本。絵コンテを描いたり、シナリオを書いたり。
7~8月は比較的マイペースで仕事ができた。帰りに散歩する余裕があった。散歩といってもたいてい四ツ谷から信濃町駅までひと駅ぶん歩くだけのことだ。学習院初等科の裏から鉄砲坂を下りて、若葉町の商店街に出、須賀神社の参道を上って、闇坂からもとまち公園でひとやすみして信濃町に出る。この一帯は歩いてみなければわからない坂の町で、たとえば闇坂を下りきったところにある若葉公園などはまるで谷底である。
四ツ谷は新宿通りをはさんで北側の荒木町界隈も谷底である。不思議な地形の町だ。
そういえば本郷あたりも坂が多い(というか東京は坂だらけだ)。小石川と本郷の間、春日はやはりの谷の町だ。本郷三丁目から西片町に抜ける菊坂を先日歩いてみた。樋口一葉ゆかりの地である。もっとゆっくり散策したかったが、とにかく暑い日だったのですぐに地下鉄の入り口にもぐってしまった。
以前、ハードディスクに録画した今井正監督「にごりえ」を観るにあたり、原作くらいは読んでおこうと思い、頁をめくった。読んでいなかったら、この映画がオムニバスであると、きっと気づかなかっただろう。
四ツ谷や本郷、小石川の坂は歴史もあるし、山の手としてのちょっとした上品さがある。これが上野や日暮里の方に行くと山の手と下町を結ぶ坂があり、それはそれでまた風情がある。もちろん横浜は横浜らしい坂があってそれも捨て難いものがある。

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