2008年4月27日日曜日

アルフォンス・ドーデ『風車小屋だより』

手もとにある岩波文庫。
1982年1月25日第55刷発行とある。で、その下に読了の日が840215とある。はじめて読んだのが今から14年前。読んでいたことすら忘れていた一冊が書棚から見つかった。
昨年南仏を訪れた際、アルルから足をのばしてドーデの住んでいた風車小屋を見に行った。プロヴァンスの風光明媚な丘の上にぽつんとたたずむ赤い屋根。もともとは粉ひきのための風車だったそうだが、それは丘の上から見渡す穀倉地帯を思えば、うなずける話だ。蒸気機関の発達で風車による粉ひき商売は衰退し、風車の数は減っていったらしい(「コルニーユ親方の秘密」)。
風車のあるフォンヴィエイユという街はアルルからバスで2~30分ほど。まさに何もないフランスの田舎町だ。が、こうしてドーデの見聞きし、紡いだ話を読むとそれなりの歴史や生活が感じられて、目の当たりにした風景がまた魅力的に思い出されてくるのだ。


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