2021年1月27日水曜日

アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』

S信用金庫に入金をしなくてはならなかった。
信用金庫は都内に多くあるけれど、地域性があるのでたとえば港区を拠点にした信金と大田区を拠点にした信金とでは支店の分布が異なる。それでも信金同士のネットワークがあり、わざわざ目的の信金の支店まで出向かなくても、近くにある信金のATMで出入金や通帳の記帳が可能である。
と、思っていたのとは少し違って、信用金庫には信用金庫のグループ(派閥だろうか?)があるようで便利なのは同じグループ内に限られる。自宅からいちばん近い信用金庫ではS信金の通帳を取り扱えなかった。あまり調べもしなかった方が悪いのだが、40分ほど歩いた私鉄駅の駅前にある支店まで出向いたことがある。
先日も同じ用件で近くの提携関係のある信金をさがした。徒歩20数分のところにあるらしい。さっそく歩いて行ってみる。途中寄り道をしながら30分ほど歩く。ATMに通帳をすべり込ませる。取扱いができませんというアラートとともに吐き出される。提携していると思ったのは勘違いだった。S信用金庫とJ信用金庫が提携していないわけがないと勝手に思い込んでしまったのである。
仕方なく、スマホで近くの信金をさがす。1キロほど南に歩くと一軒ある。S信用金庫との提携関係もある。ふたたび歩きはじめる。中央線沿線なのに下町風情のある商店街を抜けると目的の信金が見つかった。そして自動ドアのガラスに貼り紙。「長らくご愛顧いただきました…」閉店している。もういちどスマホでさがす。さらに南に行って大きな街道沿いにあった。へとへとになってたどり着き、無事用件を済ます。
スマホが脳をハックしているのだという。スマホによって脳はたくさんのドーパミンを発するのだという。特に若者に与える影響が大きい。よかった、もう若者ではなくて。
スマホに依存しながら、5.67キロメートルを1時間18分ほどで歩いた。身体を動かしたせいか、その晩はよく眠れた。

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