2020年11月17日火曜日

谷山雅計『広告コピーってこう書くんだ!読本』

ここ半年以上、広告、特にコピーライティングに関する本を読んでいる。
できるだけ多く、アイデアの断片でもいいから書いてみる。100案くらい考え出してみる。そこからオリエンテーションや市場動向、消費者インサイトなどを照らし合わせて絞り込む。これはいける、と思えた最終候補案を整えていく。
広告コピーの書き方指南の書物はたいていそう書かれている。時間と手間のかかる仕事だが、こうした努力を怠らなかったコピーライターはたしかにいい仕事をしている。見ず知らずの人が目にして、その思いを共有させることが書き手に求められるわけだ。ただ文章をうまく書くだけでは済まされない。
すぐれたコピーライターが本を書く。思いのほか文章が巧くなかったり、ボキャブラリーが足りなかったりすることもある。あれっと思うこともある。でもそれでいいのだ。コピーライターは見ず知らずの人をはっとさせ、動かすのが仕事であり、魅力的なエッセーやフィクションを書くことを不得手としてもまったく問題がない。
比較してみることになんの意味もないとは思うが、電通の、あるいは電通出身者のコピーライターが書く指南書にくらべると博報堂、あるいは博報堂出身者のコピーライターが書く本の方が、おもしろいかおもしろくないかは別にして、シンプルにわかりやすい。説得力がある。
あくまでも私見に過ぎないが、キャンペーンなどのスケールや派手さが目立つ電通に対して、基本的な広告の立ち位置をきちんと説明するところから手順を踏む博報堂の制作姿勢にあるのではないか。その説明能力が制作部門にDNAとして沁みついているのかもしれない。たしかに電通、ないしは電通出身者の語る広告作法はおもしろい。読み物としておもしろい。しかしながら、すとんと腑に落ち、明日からでも実践してみようという気持ちを起こさせるのは博報堂出身者の著書であったりする。
この、谷山雅計だったり、小霜和也だったり。

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