2018年10月30日火曜日

箕輪厚介『死ぬこと以外かすり傷』

野球の季節もそろそろ大詰めである。
高校野球は夏以降始動した新チームによる地区大会がほぼ終わり、来月の明治神宮野球大会を迎える。大学野球は4年生が出場する最終の大会となる。社会人野球日本選手権もまもなくはじまる。
今年はドラフト会議で高校生の有力選手複数に指名が重なった。全体的にレベルの高い世代だったかもしれない。甲子園で春夏連覇した大阪桐蔭からはなんと4人も指名を受けた。昨年の主力の多くが東京六大学など進学する者が多かったことを考えるとやはり今年の方がいい選手がそろっていたのだろう(それでも今年のエース柿木連より昨年の徳山壮磨の方が上だと個人的には思っているが)。
根尾昴と報徳学園の小園海斗は4球団から入札があった。小園と3球団から入札があった藤原恭大は将来的にどんな選手になるかイメージしやすい。たとえば巨人の坂本みたいな遊撃手になるだろとか瞬足強肩強打の外野手になるだろうことは想像できる(実際は厳しいプロの世界だからそう簡単にはいかないだろうが)。わからないのが根尾だ。外野もできる内野もできる投手もできるということではやくも二刀流かなどと騒がれているが、身体能力の高さを活かすのなら遊撃手ではないかと思っている。それも吉田義男や藤田平、石毛宏典のような華麗な守備を見せる巧打者ではなく、高橋慶彦や松井稼頭央のような野性味あふれる選手になりそうな気がしている。それだけ計り知れないものを持っているように思えるのだ。もしかしたら長嶋茂雄をも超えるのではないかなどと大それた期待すら持っている。
箕輪厚介という人物は知らなかったが、ベストセラーを次々に世に出す敏腕編集者だという。編集という仕事に携わっている知人は何人かいるが、その職種がどういうものかもわからない。
こうした武勇伝で若者たちを煽る時代でもないだろうと思うが、逆に考えると語気荒くけしかけなければ世の中におもしろいものが生まれなくなった時代なのかも知れない。

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