2017年7月25日火曜日

吉村昭『陸奥爆沈』

何ヵ月か前のこと、会社のネットワークがつながらなくなってしまった。
インターネットにもつながらないし、プリンタで出力もできない。LANのケーブルもWi-Fiもまったく用をなさなくなってしまった。
配線とメンテナンスをお願いしている会社の人に来てもらったが、原因がわからない。ルータをリスタートしても復旧の兆しがない。応急処置として以前使っていた予備のルータに入れ替えたところようやくつながった。
その翌日同じ人が来て、もとのルータに接続しなおした。普通につながる。昨夜の不通は何だったのか。
管理部門から原因がわかり次第お知らせしますというメールが届いたけれど、もう何ヵ月か音沙汰なしだ。こうして世の中に数多ある通り雨のような不具合は忘れ去られていく。
最後に船に乗ったのはいつだろう。
3年ほど前だったか、南房総の館山市を訪れた帰りに浜金谷からフェリーに乗り、久里浜に渡った。わずかな航海だったが、東京湾をわたる風が気持ちよかった。お昼に食べたアジフライもうまかった。
とある仕事で「ちきゅう」という船に乗ったことを思い出した。
「ちきゅう」は地球深部探査船といって海底深く穴を掘ってその堆積物などを採取する特殊な船だ。内部を取材させてもらう仕事だったので海に出たわけではない。清水港で停泊中に乗せてもらった。
人にもよるけれど何か特別な事情でもないかぎり、人はそう頻繁に船には乗らないのではないかと思う。ましてや軍艦に乗るなんてことも、たぶんない。
その身近でない軍艦を間近で見せてくれたのは、吉村昭の『戦艦武蔵』だった。その製造過程を読むかぎり、軍艦が爆沈するなど想像にもおよばないのだが、さすがに火薬庫に火が着けば沈んでしまうものなのだね。しかも軍艦爆発事件のほとんどが人為的な原因だったという。人間が恐れるのはやはり人間ということだろうか。
さて、先のネットワークの不具合だが、原因はいまだに究明されていない。

0 件のコメント:

コメントを投稿