2015年3月16日月曜日

三谷宏治『戦略思考ワークブック【ビジネス篇】』

イングレス(Ingress)というゲームにはまっている。
はまっているというほどのことでもないのだが、よくできたゲームだと思う。要は歩きまわって、ポータルと呼ばれる地点をハックする。FoursquareやFacebookでいうチェックインだ。ユーザ、つまりゲーム参加者は位置情報を提供する。位置情報はいわゆるビッグデータとなって個人の行動パターン解析に役立つ。
たとえば参加者のIDがGoogleのメールアドレスにひもづけられていれば、その住所、勤務場所などはおおむね特定できる。その日いちばん最初にハック(チェックイン)した場所はそらく自宅近辺である可能性が高い。日中ハックした場所はおそらく勤務先に近いだろう。利用している最寄駅もほぼ特定できるだろうから、どの路線で通勤しているかもわかるはずだ。休日定期的に移動する人はその地域を特定することであるいは趣味などもわかるかもしれない。こうやってその人の行動パターンや行動範囲を活かして広告活動につなげていくわけだ。
なんとよくできたゲームだろう。
これまで位置情報を収集するSNSはあった。Foursquareはメイヤーとかバッジを付与することで参加者のモチベーションを支えてきた。けれどもここまでのめりこませて収集する仕組みはおそらくIngrerssがはじめてではないだろうか。頭のいい人ってやっぱりすごい。
この本では「なにがだいじか」をきちんと見極めようとする「重要思考」がビジネスに欠かせない「戦略思考」を鍛えていくと説かれている。事例も豊富だ。題名にあるとおりワークブックの形式をとっている。読者参加型の戦略思考演習本といっていい。しかしながらその課題はかなり難解だ。
この本を読みながら自分で考えていくには相当なスキルが必要だと思う。今回はとりあえず読みすすめて、なるほどなるほどと感心するにとどめた。
頭のいい人ってやっぱりすごいなと思いながら。

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