2014年12月14日日曜日

並河進『Communication shift「モノを売る」から「社会をよくする」コミュニケーションへ』

池袋の東京芸術劇場でテトラクロマット第二回公演「花の下にて」(脚本坂下理子、演出福島敏明)という芝居を観に行った。
演劇にはほとんど関心なく生きてきた。東京芸術劇場で芝居を観るのもずいぶんと久しぶりである。以前ここで観たのは木内宏昌演出の芝居だったと記憶している。
この「花の下にて」は幕末の江戸を舞台に、魂のない木偶の人斬りが事件を引き起こす。芝居を観るのはほぼ素人なので、話の筋を追いかけるのが精一杯でどこがどうおもしろかったかなどという整理もできないまま終わってしまったのだが、いたってシンプルな舞台構成でテンポもよく、観ているものを飽きさせない。
幕末の、世の中の流れを大きく変えるうねりのようなものも随所に描かれている。時代の変化が人々の心に動揺を与えている。この芝居は古い時代を終わらせ、新たな世界を呼び起こす時代の区切りを描いていたのかもしれない。
あっという間の2時間だった。
「いつか心の森で迷ったら言葉の小石を目印にして…」でおなじみの並河進『Communication shift「モノを売る」から「社会をよくする」コミュニケーションへ』を読む。
並河進は模索している。あるいは迷走を続けている。広告はもっと社会にとって価値あるものになれるはずだ。そう信じて、広告の今に疑問を投げかけた。永井一史との対談を通じて、これからの広告会社がめざすべき方向性を見出す。

>企業を出発点にしたときの広告のありかた。
>NPO、個人、コミュニティを出発点としたときの広告のありかた。
>社会課題を出発点としたときの広告のありかた。

そして社会貢献と広告の融合という森をさらに奥深くさまよい歩く。森のなかで多くのクリエイターに出会い言葉を交わす。出口はまだ見つからない。しかし手ごたえはたしかに感じられる。

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