2014年8月11日月曜日

小関順二『野球を歩く』

台風の影響で開会式を含め二日間順延された夏の甲子園が今日からはじまった。
開幕試合の龍谷大平安対春日部共栄は1対5。マスコミで有力校と騒がれていた春センバツの優勝校が大会初日に姿を消した。ピッチャーは立ち上がりがだいじだとよく言われるが、まさにその立ち上がりを果敢に攻めた結果だろう。
高校野球を予選から観ているといろいろな球場に足を運ぶ。秋季、春季のブロック予選などは当番校のグラウンドを使用する。昨年は岩倉高校のグラウンドで観戦した。当番校の部員たちが丁寧に慈しみながら整備する姿は気持ちのいいものだ。
夏の大会は神宮球場だけでなく、多くの球場が使用される。西東京の球場はあまり行くことはないが、東東京の試合も府中市民や明大球場で行われることがある。東東京の会場となる神宮、神宮第二、江戸川、大田は人工芝で、たまに駒沢球場のような土のグランドで野球を観ると少しなつかしい。
東京だけでもずいぶんたくさんの球場があるが、これを全国的、歴史的に見てみると実に多くの球場が生まれ、そしてなくなっていった。武蔵野市の武蔵野グリーンパーク球場はわずか一年、深川の洲崎球場はわずか三年稼働したに過ぎない。球場めぐりを通じて日本野球の歴史を旅するというこの本のねらいはたいへん興味深い。
思い返せば、子どもの頃にあって、今はない球場がいくつもある。川崎球場や東京球場、日生球場、西宮球場、平和台球場がなくなった。大阪スタヂアム、後楽園球場、ナゴヤ球場はドーム化された(ナゴヤ球場は中日2軍の本拠地となっている)。学生時代にはまだ早稲田に安部球場もあった。そう考えるとアメリカのフェンウェイ・パークやヤンキー・スタジアムのように地域に根差した古い球場は日本にはさほど多くなく、歴史の浅い国だと言わざるを得ないだろう。
それでもこの本を通じて、野球を日本に根付かせようと努力した足跡を知ることができる。ちょっとした野球の旅を味わえる。『野球を歩く』というタイトルはまさに言い得て妙である。

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