2009年10月20日火曜日

重松清『リビング』

さて、起ち上がらなくなったパソコンだが、ハードディスクが壊れてしまったのか、起動するためのソフトが壊れてしまったのか判別しがたい。なにしろセーフモードでも起ち上がらないのだから。ただなんとなく直感的にはハードディスクのデータ類はやられていないはずという思いがあった。たとえばCDドライブからOSを起動できれば、ネットワーク経由でデータを別のパソコンに移せるのではないか、あるいはUSB接続した外付けハードディスクに。
リカバリして初期状態に戻すのは簡単だ。ただスペックの落ちたハードウェアの復旧より、中のデータが最優先だ。別パソコンでいろいろ調べてみたら、CDROMから起動するLinuxがあるという。その名はknoppix、クノーピクスと読むらしい。Debian系Linuxの進化系か。
ものは試しと最新版(6.0.1)をダウンロードして、isoファイルをCDRに焼いて、VAIOのドライブから起ち上げてみる。おなじみのペンギンがあらわれ、なんなくGNOMEの画面が登場。ファイルユーティリティソフトを起動して、ハードディスクにアクセスする。画面にはWindows のCドライブ、Dドライブに相当する/media/hda2、/media/hda5が表示されている。コンソールからroot権限で“mount -r /media/hda2”と打ち込んでもerrorらしきメッセージが帰ってくる。せっかくここまでたどりついたっていうのに。ただLinux上ではハードディスクのパーテーションが認識されていることがわかった。しかもVAIOのリカバリー領域である/media/hda1というドライブはなぜか自動でマウントされている。ハードディスクそのものが損傷を受けているという可能性は低い。なんらかの理由でマウントできないだけなのではないだろうか。
翌日、またネット上であれこれ調べてみた。マウントできない原因のひとつとしてLinuxがハードディスクの一部をswap(システムが落ちないようにハードディスクを部分的にメモリに割り当てるもの)に使っているからではないかと思い至った。どうやら起動の際、“boot:”のあとに“knoppix noswap”とオプション指定するといいらしいとどこかに書いてあった。さっそく試して、マウントすると今度はエラーが出ない。ファイラーで開くとなんとドライブの中身が無事残っている。knoppixCD版にはOfficeに相当するアプリケーションが入っているのでパワーポイントやワードで作成したデータをふたつみっつ開いて確認。画像データもgimp(Linux定番のPhotoshopみたいなアプリケーション)で確認。動画ファイルも生きていた。
ネットワーク経由の移送は設定がよくわからなかったので外付けHDDをUSBにつないでマウント。ほぼ全データをバックアップすることができた。
長生きはしてみるもんである。
あ、そうそう重松清。『リビング』。ずいぶん前に読んだ単行本をぱらぱらと読み返したんだっけ。
パソコンが飛んで、すっかり忘れっちゃったよ。



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