2011年6月5日日曜日

野口冨士男編『荷風随筆集』


東京六大学野球春季リーグ戦は慶應の完全優勝に終わった。
以前も書いたかもしれないが、昨季江藤監督が就任して、慶應は精神的に強くなったような気がする。続くのは野村、森田、難波ら投手陣が充実している明治かと思われたが、エース小室と打線の好調に支えられた立教が優勝争いに絡んできた。小室は6勝をあげ、ベストナイン。昨年の3本柱が抜けた早稲田はあえなく5位。それでも新人の有原(広陵)が1勝をあげ、今後にかすかな期待を残した。それにしても慶應は投打に充実している。打線は集中打が素晴らしいし、竹内大、福谷、そして白村、田村ら投手陣は昨年までの斎藤、大石、福井を擁した早稲田を上回るのではないか。福谷の155キロのストレートは大石を凌駕しているといっても言い過ぎではないだろう。
毎日新聞にはいい散歩記事が多い。
かつては赤瀬川原平の“散歩の言い訳”、今では土曜夕刊川本三郎の“東京すみずみ歩き”、そして日曜版大竹昭子の“日和下駄とスニーカー”だ。そういえば「日和下駄」は読みたい読みたいと思っていながら、ついつい先送りしてきた。この連載スタートを機にようやく読んでみる。
岩波文庫の上下二巻の随筆集は下町散歩者、江戸愛好家としての荷風以外にも多面的に彼の思想をたどることができる。まだ読んでいないが、『断腸亭日乗』なども含めて、荷風の日常、普段着の荷風を知るには貴重な史料である。
荷風といえば過去偏重と読み取れるふしが多々見られるが、単に昔を美化するだけでもあるまい。いいものはいいと言っているわけであって、その辺を誤読するとせっかくの面白みが失せていくような気がしてならない。
そういえば永井荷風は慶應義塾の教授だったっけ。

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