これはショーの1930年代から60年代にかけての短編を集めたものだという。
この文庫におさめられているものには、ちょっとした心情の微妙な動きや、思想的な問題をテーマにしたものなど切り口鋭く迫った作品が多いと思う。短編小説に問題意識をもち、意欲的に取り組んだショーの姿勢がひしひしと伝わってくる。
それ以上に僕が評価するのは(僕なんかが評価したからといって、だからどうしたということはないんだが)やっぱり常盤新平さんの訳だと思っている。
僕はショーの原書を読んだわけでもないし、ショーという人を卒論の課題にしたわけでもないけれどショーと常盤さんはすごく相性がいいと思っている。
例えばラブレーと渡辺一夫、ルソーと桑原武夫、ヴォネガットと浅倉久志みたいに。
(1993.4.3)
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