2026年9月21日月曜日

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

50何年か前の東京の中学生ならたいてい修学旅行と称するイベントで京都・奈良を訪れているはず。なのに僕が通っていた中学校では京都・奈良ではなかった。前年までは京都・奈良だったのに。僕たちの年からどうしたわけか会津若松になったのだ。よほど先輩たちが悪さをしたのだろうと当時は噂したものだ。
結局京都・奈良を知らずして高校生になり、大学生になった。はじめて京都に行ったのは20台も終わろうかという歳になってからである。
観光地を隈なくまわる旅ではなかったので、人並みに何度か京都を訪ねてはいるが、印象は断片的である。その後社員旅行というイベントで京都と神戸に行った。バスで観光地を隈なくまわったけれどもほとんど酔っぱらっていたのでやはり印象は断片的である。
思えばしばらく京都に行っていない。最後に行ったのが姪の結婚式である。子どもがもう小学5年生だからかれこれ10年以上前ということになる。仕事でも行ったことがある。テレビコマーシャルの撮影のため太秦の撮影所で時代劇の衣装を借りた(撮影したのは名古屋のスタジオだった)。
この本の舞台は京都。先斗町や木屋町も歩いたことはあるし、下鴨神社も姪たちと歩いたことがある。京都大学はさすがに恐れ多く近寄ったこともないが、天下一品総本店でラーメンを食べたことがある。物語は奇想天外で圧倒的におもしろく、楽しませてもらったのであるが、如何せん、京都という町が僕にとって身近でないせいか、なかなか感情移入できない。池波正太郎の短編を読んでいると永代橋を渡って深川に向かう道中なんか知っている道だけあってわくわくどきどきしたりするのだが、知らない町京都にはそんな気持ちの高ぶりは起らない。
もしもう一度京都を訪れる機会があれば、この小説の舞台をゆっくり歩いてみたいと思う。とかなんとか言って、結局、梅小路蒸気機関車館なんかに行ってしまうんだろうな(行ったら三度目になる)。

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