2025年12月23日火曜日

若松英輔『考える教室 大人のための哲学入門』

読みたい本と読まなければいけない本があった。
読まなければいけない本というのは仕事に必要な本でここ何年かで言えば、福祉関連、社会的擁護や認知症普及啓発に関する本が多かった。仕事はまだ続けるつもりだが、読まなければいけない本はそのうち減ってくるだろう。
学生時代、読みたい本は大概小説で、読まなければいけない本は学生としてこれくらい読んでおかなくちゃという古典や学術書だった。残念ながらこれら功利的動機で読んだ本はあまり記憶にとどまっていない。パスカル、カント、サルトル、ベルグソン…。読むことによって読んだつもりにはなったけれど、自らの血肉になったとはとても思えない。
大人になってからは広告の本を読まなければいけないと思って読んだ。すぐれたクリエイティブスタッフが書いた本。大抵は自身の広告作法を理論化して携わった作品とともに紹介する本だったが、いくつかの例外を除くとあまり役には立たなかった。
「読む」とは言葉を扉にした書き手と読み手の対話であると若松英輔は言う。読書は自分を知るための旅であるとも言う。
さほどの読書家ではないけれど、これまでいろんな本を読んできた。影響を受けた本もある。おもしろかった本もある。いつかまた読み返したいと思った本もある。一方で読んだことは身に覚えがあるが、内容をすっかり失念した本もある。読んだことすら憶えていない本だってある。
この哲学入門はソクラテス、デカルト、ハンナ・アレント、吉本隆明を読み解きながら考えることの入り口に導いてくれる。このうちアレントは知らなかったが、興味を持った。吉本隆明は昔も今もよくわからないままでいる。『ソクラテスの弁明』と『方法序説』は読んではいるが、中身はすっかり忘れている。それでも著者の導きによって多少は思い出すところがあった。
巻末に著者によるブックガイドが掲載されている。たぶんもう読まないんじゃないかと思いながら目で追った。

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