2026年5月23日土曜日

朝井リョウ『星やどりの声』

昭和ひと桁世代の父と母はともにきょうだいが7人いた。きょうだいが大勢いたのは当時の地方では当たり前だったのかもしれない。父方のいとこは11人、母方のいとこは17人いた。母方のいとこが多いのは地元に嫁いだ伯母が3人いたせいだと思っている。17人のうち11人は南房総で生まれ育っている。
都内で小学生時代を過ごした。ひとりっ子もいたし、ふたりきょうだいの子、3人きょうだいの子もいたが、仲がよかったもっちゃんは兄ふたり、姉ふたりの5人きょうだい。いちばんきょうだいが多かった。まだまだ少子化なんてことが取り沙汰される前の時代だ。大学時代にも4人きょうだいの友人がいたが、きょうだいはたいてい3人以内だった。長女が幼稚園に通っていた30年前には3人きょうだいは珍しかった。
長女琴美、長男光彦、次女小春と三女るり(このふたりは双子)、次男凌馬、三男真歩。きょうだいが6人いるってどんな感じなんだろう。僕がこのきょうだいの一員だとしたら、何番目なんだろう。この本を読みながらずっとそんなことを考えていた。6人きょうだいに対して実感は湧かないけれど一人ひとりの個性やつながりに関しては大いに共感できる。そういった意味ではリアルな家族だ。
父親が若くして亡くなり、生活も楽ではない。それでも不幸を感じさせないのはこの家族の団結力のせいだろう。とてもすがすがしいひと夏の物語だった。もし映像化されるとしたら、主役は長女役だろう。物語ではきょうだいそれぞれにスポットを当てているが、扇の要に位置しているのは亡き父と深く交流のあった長女琴美だと思うから。きょうだい以外にもいい脇役が必要だ。琴美の夫孝史、ブラウンおじさん、光彦の教え子あおい、るりの同級生ユリカ、短い期間だったが真歩の同級生だったハヤシなど。
朝井リョウの本は2冊目。まだ読んでいない話題作も多い。これから一つひとつ読んでいくのが楽しみになった。

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