2024年5月31日金曜日

三遊亭圓生『噺のまくら』

高校の同期会があった。本来は還暦同期会という主旨で2020年に開催される予定だった。還暦を迎える年は2019年だったが、全員が60歳になったところで実施しようということで1年遅れで計画されたらしい。世の中にはおかしなことを考える人がいるものだ。当然のことながら2020年はコロナ蔓延で中止。新型コロナの感染が落ち着いてきたところで再度計画され、この5月に開催となった。還暦ではなく、高齢者同期会になった。
同期会とかクラス会にはあまり積極的に参加する方ではない。それでも3回か4回は出席している。同じクラスによくしゃべったりするような親しい人が少なく、卒業後のクラス会ではじめてことばを交わした人も多い。どんな仕事をしているのか、なぜ先生にならなかったのか(僕がすすんだ大学は教員養成系だった)、結婚しているのか、子どもはいるのか、歳はいくつかなどなど、面接みたいな質問を受ける。何年かして顔を出すとまた同じようなことを訊かれる。正直言って煩わしい。共通の思い出のようなものもない。話のきっかけがないのである。
落語で本題に入る前の世間話や小咄をまくらという。いろんな噺のまくらを紹介しているのがこの本である。おそらくは口述筆記であろう、するするとリズムよく読めていい。まるで圓生がしゃべっているみたいだ。
圓生といえば弟子に圓楽がいて、その弟子である楽太郎が圓楽を受け継いだ。それ以外の古い三遊派の名跡は受け継がれていない。園右、園遊、園馬などだ(三代目園右はつるつる頭の噺家でドラマやCMなどによく出演していたのをおぼえている)。若い世代からいい噺家が出てきたら、襲名させるべきではないかなと思うのだが、いかがなものだろう。もちろん大名跡圓朝は永久欠番として。
圓生や圓楽はやはりいてくれた方がいいと思う。
同期会であるが、ちょっと都合がつかなくて欠席した。けっして話題がないからという理由ではない。

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