2012年4月10日火曜日

川端幹人『タブーの正体』


桜の季節だ。
多くの人に待ち望まれて、ぱっと咲いて散っていく。その潔さを人びとは愛でるのか、先週末は名所であるなしを問わず多くの人出があったようだ。FaceBookを眺めているだけでちょっとした写真集ができてしまうのではないかと思ったほどだ。
今年は青山霊園、四ツ谷、中野で桜を見た。
たいていの場合、桜の咲くのは4月。卒業シーズンではなく、入学式の風景となる。ごくまれに暖かい年があって3月の卒業式の頃咲いてしまうこともあるが、散ってしまう桜と別れの季節をだぶらせるのは哀しすぎる。桜はやはり出会いの季節によく似合う。
この本を書いたのは元「噂の真相」の副編集長だった川端幹人。マスメディアの世界にタブーを生み出す力は「暴力」「権力」「経済力」であるという。読みすすめていくと、なるほどこんな圧力があったのかなどとそれなりに感心はするが、今となってはマスメディアに多大な期待はかけられないだろうから、そんな時代もあったねと歌い飛ばしてしまおうと思う。
ただ著者をはじめとしたタブーに立ち向かっていったマスメディア人の姿勢と勇気には敬意を表したい。
で、また桜の話に戻るが、今年の桜はどことなく哀しい気がする。春の訪れとともに融けて流れる雪のような桜に、別れの予感がはらまれているように見えるのだ。
気のせいだったらそれでいいんだけど。

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