2011年6月14日火曜日

川辺謙一『電車のしくみ』


豊島洋一郎にかれこれ10年以上会っていない。
豊島というのは高校の同級生でどこかの大学を出てから、筑摩書房に就職した。最後に会ったのは四ツ谷の焼鳥屋だった。豊島は川口に住んでいた。
先日テレビで浦山桐郎監督の「キューポラのある街」を観た。高校生の頃、豊島の家に泊まりに行ったことがあるが、キューポラなるものはもうなかった。
たまたまちくま新書を読んでいたので豊島のことを思い出した。
以前中公新書で『電車の運転』という本を読んだ。長年列車運転にたずさわった著者の質朴な語り口が印象的だった。今回読んだこの本は電車はどうして走るのか、どうやって止まるのかというきわめてプリミティブなテーマを懇切丁寧に説き明かしてくれている。著者は大学院で工学(化学系であるらしい)を専攻した。畑違いの分野であるが、あるいはだからこそかも知れないが、噛み砕いて噛み砕いて話をすすめていく。実物の電車の構造を解くにあたり、鉄道模型からはじめたり、モーターの話をするのに電磁誘導から説明してくれる。図解の図まで自ら描いたという。
たとえば「電気機関車は、動力を持たない客車や貨車を牽引するのが目的であるため、それ自身は人(乗客)や物を運ばない。これが電車と大きく異なる点だ」と電車と電気機関車の違いのためにひと段落割く。このくらいのことは誰にだってわかるだろうようなことをちゃんと書き添えるタイプの著者なのだ。これは読んでいて多少まだるっこしいとか、冗長だとか思うかもしれないが、こうした“モノを書く姿勢”は正しい。
スイッチング制御の話は個人的には勉強になった。
で、豊島、今なにしてる?

2 件のコメント:

  1.  岡田だよね。豊島です。元気ですよ。相変わらずC書房で文庫作ってます。
     久しぶりに会いたいね。四谷の焼き鳥屋も元気で営業中だし、よかったらメールください。

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  2. おお!
    豊島、びっくりさせんなよ。

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