2008年6月3日火曜日

梨木香歩『エンジェル エンジェル エンジェル』

つくづく、思う。よくできている小説だなあ、と。
おばあちゃんと孫娘というのは、この人の基本構図なのだが、その関係の描き方において『西の魔女が死んだ』とはまたひとつランクアップしている。
孫の生きている時代(おそらく現代)と祖母の生きている時代とを織りなす微妙な演出(たとえば旧仮名で綴るなど)もさることながら、ラストに向かって一気に糸のもつれを解き放つ瞬発力、余計な描写を省いて一気に読み進めていける上、時代の違い(つまりは考証的なこと)に煩わせることなく進展していく構成のシンプルさ。
そういえば、長女がイチオシ、みたいなことを言ってたっけ。


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