2019年2月21日木曜日

博報堂買物研究所『なぜ「それ」が買われるのか? 情報爆発時代に「選ばれる」商品の法則』

眼鏡を新しくした。今回は「新しいフレームは以後買わない」くらいの強い気持ちで購入にのぞんだ。
なるべく普通で何年たっても普通のデザインであることを基本に据えた。普通であるということはカタチとしてはウェリントンということになる。間違ってもエルトン・ジョンやミシェル・ポルナレフのサングラスではないということだ。黒縁、太めのセルフレームで当然のことだが高価ではないこと。以上が選定の条件である。値段も2万~3万円とする。少々高めの設定だが、これが最後のフレームだという覚悟なのだから仕方あるまい。
ネットで検索してみる。そこで絞り込んで、お店に行ってかけてみる。そんな作戦にした。絞り込んだのは、オリバーピープルズ、白山眼鏡店、エフェクター。トム・フォード、フォーナインズ、金子眼鏡店、増永眼鏡は少し高いので除外。高価な眼鏡はお店でかけるだけで肩が凝る。それまでまったく知識のなかったメーカーやブランドに少しは詳しくなった。
最近の人たちは買物が楽しくないという。商品はもちろんのこと情報も溢れかえっている。そんな洪水状態のなかから適切なものをひとつ選ぶ行為が面倒らしい。商品が欲しいという欲が希薄になったのではないけれど「モノ=商品」が実現してくれる「コト=商品体験」の方が重要視される時代になっているせいもある。
ひとつの商品に味だの色だの香りだといったバリエーションがある。バリエーションが多ければ多いほどいろんな人の好みに対応できると考えるのがその商品の送り手の立場かも知れないが、実験によると24のバリエーションより6つ程度の方が手が伸びるというのだ。選びたいのはやまやまだが、選ぶことを苦痛にしたくないということか。
で、これからは売る方もお客さんに選んでもらいやすい「枠」をつくっていくことがたいせつだとそういったことがこの本には書かれている。
欲しい眼鏡をあらかじめ絞り込んことは成功だった。

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