2018年11月30日金曜日

今尾恵介『日本全国駅名めぐり』

かれこれ20年以上前のこと。
ロケハン(ロケーションハンティング:撮影場所の下見)と称してプロデューサーのH君と盛岡まで東北新幹線に乗った。当時はまだ盛岡から先は開通しておらず、そこは新幹線最果ての駅だった。
新聞でも買いますかと言われたが、売店でJTBの時刻表を一冊買った。盛岡までの500キロ余りの距離と時間を埋めるにはうってつけと思ったからだ。車中はずっとそれをながめて過ごした。かつてたどった道のりを追体験したり、東京駅から日帰りでどこまで行けるか、その際、同じ経路は通らないで、みたいなシミュレーションをしていたら、あっという間に終着駅に着いた。
同行のH君が言う。ずっと時刻表見てましたね、鉄道っておもしろいもんですか、僕には信じられないなあ、と。3時間ずっと『GUN』という鉄砲の雑誌を読んでいたH君に言われる筋合いはない。
山手線の品川駅と田町駅の間に新しい駅ができるという。
果たしてなんという駅名になるか。下馬評では(もちろんこんなものは何のあてにもならないのだが)高輪、泉岳寺、芝浦、新品川などが有力視されているそうだ。いっそ、京浜急行から北品川という駅名を買い取ってはどうかと思う(駅名が売買されるかどうかは別として)。品川駅でさえ港区なのに、さらに品川の領土を拡張することもないと思うが。
先日、田町駅から歩いて新駅のできるあたりを散策した。第一京浜(国道15号線)に沿って山手線は走っている。位置的には都営地下鉄泉岳寺駅に近く、周辺には高輪という地名もある。ところが国道が町を東西に二分している。山手線側と高輪側をむすぶ横断歩道も少ない。もちろん歩道橋や地下通路なども整備されるのだろうが、どうも新駅は山手線の海側、すなわち東側のための駅ではないかという気がする。と考えると「芝浦」がいいんじゃないかと思う。
どうでもいいことかも知れないが、駅名というのはおもしろいものだ。

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