2011年8月24日水曜日
ジョン・レノン『絵本ジョン・レノンセンス』
猛暑の中、世田谷文学館に行って、「和田誠展書物と映画」を観た。
装丁や挿絵などに携わった和田誠のデザイン作品と文学との接点を蒐集した、愉快痛快にして、奥深いコレクションである。閉館時間が思いのほかはやく、こんなことなら朝から弁当持参で行って一日中居たかったと思う。世田谷文学館周辺の芦花公園あたりは閑静な町並みが続き、散歩するにもうってつけだ。
和田誠のイラストレーションはその線のやわらかさや親しみやすい絵柄が好きなのだが、とりわけ色づかいが絶妙だと思っている。直接グアッシュやカラーインキで描くこともあるし、線画に版下で色指定することも多い。そんな版下が掲示されていたりするともうメモ帳片手にその色指定を書き写す。顔はY20+M10とか。特に和田誠の指定するブルーは毎度のことながら感動する。
今回は本と映画にフォーカスした展覧会だったが、和田誠といえばアニメーションも音楽、文筆も完璧にこなす、表現の才能がワンパッケージになった人だ。どこかに和田誠美術館でもこしらえたら、相当楽しい場所になるに違いない。
そういった意味ではジョン・レノンもマルチな才能と柔軟な思想の持ち主だったといえる。ただちょっと僕には難解だったけど。しかしながら出版されて30年も40年も経つ本がこうして改めて文庫化されて、話題になることにやはりジョン・レノンの一方ならぬ才能の深さを感じざるを得ないのである。
芦花公園駅近くの居酒屋で生ビールを飲みながら、才能というものについて考えてみた。店を出たらバス停にO駅行きのバスが待っていた。何も考えずにそのバスに乗った。
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