近衛文麿邸であった荻外荘が復元され、今月から一般公開されている。善福寺川の河岸段丘に建つ木造の邸宅。以前軽井沢で見た別荘はモダンな洋風建築だったが、荻外荘は日本家屋。大きなお屋敷といった感じだ。1940年7月に松岡洋右、吉田圭吾、東条英機と戦争路線の方針を決めたという荻窪会談が行われた部屋も復元されている。
格差社会と言われている。富裕層と貧困層が両極に分かれて、それぞれ前に進んでいる。
かつて寝台特急列車があった(今でもあるが)。時間を惜しむビジネスマンにとって飛行機より朝はやく目的地に到着できる交通手段として一世を風靡した。今となっては金銭的時間的な贅沢品と化している。三泊四日の寝台列車の旅は百万円を超える。それでも需要があるのだから吃驚する。
国産の高級ウイスキーもものすごく高額だ。お金を持っている人が少なからずいて、庶民には考えられないような消費を行う。信じ難い。富裕層に限らず、つましい生活を送りながらもここぞというところには惜しみなくお金を使う人がいると聞く。
転売ヤーという人たちがいることは何となく知っていた。この本を読むことで少し具体的にイメージすることができた。商売の基本は安く仕入れて高く売る。つまり利ざやをどう確保するかの世界だ。彼らの多くは定価で買う。バザーなどで仕入れる例もあるが、ゲーム機のPS5やTDRの限定グッズなどは需要と供給の関係で利ざやが生まれる。百貨店の外商から高級ウイスキーを仕入れて転売する。そんなことで生計を立てる輩もいる。
何だかなと思う。真面目に働いて、生活費を稼いで、みたいな図式はもはやなくなったのだろうか。転売は合法なのだろうか。転売で得た収入が課税されるとは思えない。
今、これからの日本を支える新たな産業の創出が議論されているというのに、日本は(中国も)転売立国になってしまっていいのか。転売そのものより、劣化した社会の方が心配だ。
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