2023年9月26日火曜日

ジャン=ジャック・ルソー『エミール』

以前、通勤していた頃は行き帰りの電車のなかで本を読む習慣があったから、それほど多くはないけれど月に何冊か本を読むことができた。在宅になってからもなるべく本を読む時間を確保しようと思い、午前中であるとか就寝前とか本を読むようにしている。それにしても読書量は減っている。一日仕事に追われて、まったく読めない日だってある(というほど忙しい日はかなり少ないのだが)。歳相応に小さな字が見づらくなってきたせいもある。
今、ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』を読んでいる。岩波文庫で4冊あるが、僕が読んだ1980年当時は8冊だった。翻訳も古いうえ、昔読んだことなんてこれっぽちもおぼえていないのでなかなか読みすすめない。
昔読んだ本をもういちど読みなおそうと思うようになってずいぶん経つ。夏目漱石や太宰治を読みかえしたりしてきた。そしてどういうわけか『ジャン・クリストフ』が読みたくなった。
というわけで最近新しい本を読んでいないので、このブログも開店休業状態である。まったく書かないというのもよくないと思い、「昔読んだ本」というラベルをつくって、思い出話を添えてみることにする。
ルソーの『エミール』は大学一年の終わり頃に読んでいる。
その昔、子どもは「小さな大人」だった。子どもは人間の発達過程で「子ども」という段階を経て、成長していく。そうした子ども時代を発見したのがルソーだといわれている。ルソーの少し前にイギリスのジョン・ロックという人も『教育論』を著している。ルソーにも多大な影響を与えた本だと思われるが、微妙に子ども観が異なる。
『エミール』はその後何度か読みなおしている。卒論のテーマにルソーを選んだからである。なぜルソーを選んだかというと、ルソーに関する著書や論文は多く、うまいこと継ぎ接ぎすれば卒論なんて簡単に書けてしまえそうに思えたからだ。
そんな姑息な学生時代を思い出させてくれる一冊である。

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