2013年4月21日日曜日
村上春樹『ノルウェイの森』
家にキヤノンデミというハーフサイズのカメラがあった。
ハーフサイズなんてのももう死語かもしれない。35ミリのフィルム1コマぶんを半分にして撮影するエコノミーな規格のカメラだ。36枚撮りのフィルムで72枚撮影できる。もちろん紙焼きの量も値段も倍になる。
子どもの頃はそのカメラを手に大井町の東海道本線に架かる歩道橋の上や品鶴線という貨物線の沿道で列車を撮っていた。それも小学生までの話。中学、高校あたりになるとそろそろ一眼レフが普及しはじめてきた。簡単なカメラでは恰好がつかなくなってきた。カメラを手にすることはなくなった。
20代の半ばを過ぎて、テレビコマーシャルの制作会社に入って、ふたたびカメラを手にすることになる。もちろん、カメラマンとしてではない。CMもその当時は35ミリ、ないしは16ミリのフィルムをまわしていた。露出であるとか、画角であるとか、カメラの知識が皆無では太刀打ちできないのだ。そんなわけでニコンのFM2という一眼レフを購入した。レンズは会社に何本かあったので、とりあえず50ミリを買った。当然中古である。
以来、基礎教養としてのカメラいじりが、85ミリ、35ミリ、135ミリ、28ミリ、24ミリ…、とレンズを買い足すごとにたちの悪いに趣味になっていく。それも子どもが小さいうちまで。そもそもレンズを何本も持って移動することがつらくなってきたのだ。仕事でカメラを持っていってもフィルムは入れない。画角を見るだけ。
『ノルウェイの森』はもう何度読みかえしたことだろう。
たしかに村上春樹の本流の小説ではないけれど、今でも多くの読者を惹きつけてはなさない不思議な魅力を持った長編だ。今回は『蛍・納屋を焼く・その他の短編』でそのプロトタイプとして書かれた「蛍」と読みくらべてみようと思い立って、またページを開いてみた。
子どもたちが大きくなってからはもっぱらコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)でカバンのポケットにいつも入れていた。旅行にでも行かない限り、写真はさほど撮らなくなった。
カメラの話はまた後日ということで。
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