2007年7月19日木曜日

第60回広告電通賞展

汐留アドミュージアム東京。

アド・ミュージアム東京で開催されている第60回広告電通賞展に行く。
今年の総合広告電通賞は角瓶の新聞広告、響のポスターで広告電通賞、オールドのラジオCM、TVCMで最優秀賞を獲得したサントリー。優秀賞にも名を連ねた缶コーヒーBOSSや黒烏龍茶も含め、トータルで資生堂や松下電器産業を上回った形だ。
電通賞は古い歴史を持つだけでなく、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、セールスプロモーションはもちろんのことインターネット部門や公共広告部門、地域部門と広告表現のあらゆる側面からこの1年を見渡せる貴重な賞である。広告制作に携わる人が審査にあたる広告賞とちがって、表現技術だけにかたよらない姿勢が思わぬ発見をさせてくれることもある。
たとえばテレビ部門の広告電通賞はリクルートのリクナビ、山田悠子の就職活動篇で、これはTCC賞にも選ばれているCMであるのだが、他の、エステWAMやコナミのウィンイングイレブン、高橋酒造白岳のような国際的にも評価を受けたCMを凌いで受賞している。もちろんややもすればサントリー、資生堂、松下など大広告主に高い評価を与える傾向は否めないものの、広告表現や企画力だけでなく、表現の送り手である媒体関係者や受け手である消費者の視点、さらには広告の社会的な役割などについて総合的に評価を下しているのがこの広告賞の素晴らしい点で、広告の可能性、広告表現の可能性をきわめて良心的に評価していく場なのだと思う。

去年も天候に恵まれ、いい広告がたくさんできました、みんなでひとつひとつ見て、明日のぼくたちの糧としましょうというメッセージが会場から伝わってくる日本で唯一の広告賞といっても過言ではないだろう。


2007年7月13日金曜日

恩田陸『図書室の海』

今日は仕事で早朝の新幹線で神戸に行った。神戸には1979年クラブカップ優勝大会というバレーボールの試合でいちど訪れたことがある。新神戸駅に降りるのはそれ以来。

南仏に行くときの話。
フランクフルト経由でニースまで。13時間以上の旅。ところが前日になって飛行機の中で読む本がない。どうしようかと思ってたら、長女がおすすめと称して何冊か文庫本を持ってきた。そのなかの一冊が恩田陸の『図書室の海』。
ミステリアスな短編が脈絡なく続き、ふだんこの手の本を読みなれないせいかなかなか先に進まず、それはそれで時間つぶしになってよかったんだが、聞くところによると著者の長編を読んでいるとおもしろいらしい。たとえば「図書室の海」は『六番目の小夜子』の番外編、「ピクニックの準備」は『夜のピクニック』の予告編なんだそうだ。
これらを読んだらもう一度読んでみるとするか。

というわけで新幹線の中でようやく読み終えたわけです。


2007年7月10日火曜日

6月24日フランクフルト経由成田へ

今回の旅は大きくいえばプロバンスの世界遺産めぐり。広告祭にかこつけて思う存分歩きまわるつもりだったんだけど、現実はなかなかそうもいきません。適度に観光、適度に視察といったよくいえばバランスのとれた旅、悪くいえば中途半端な旅。それでもまずまず楽しめたと思います。
欲をいえばきりがありませんが、それはまた次の機会にということで。今度はニーム、ポン・ドュ・ガール、リヨンあたりまで足をのばしてみたいし、今回行きたかったけれど行けなかったヴァンス、サンポール、エズなど行きたいところは山ほどあります。次回はツアーではなく、個人旅行で訪れたいとも思いますし。
そんなことを考えながら、フランクフルトを経由して無事成田までたどりつきました。

6月23日カンヌ国際広告祭


夕方から表彰式がはじまりました。グランプリはUNILEVER,DOVE SELF ESTEEM FUNDの
EVOLUTIONというフィルム。

近頃のお化粧ってどうよっていうメッセージ。ちょっと頭のいいコミュニケーションだなって感じです。




表彰式終了後はビーチでパーティ。ものすごい混雑ぶりです。明朝のフライトがはやいので本日ははやめに退散。ホテルに帰って荷づくりです。

6月22日カンヌ国際広告祭


さてカンヌ国際広告祭ですが、フィルム部門(テレビCM)のショートリスト(予選通過作品)が発表になり、まる1日かけて全作品を観ました。さすがに1日中会場にいると効きすぎた冷房に体調を崩す人もいるようです。
街ではリゾート客にまじって世界の広告制作者が明日最終日に発表されるフィルム部門のグランプリについてあれこれ議論しています。もちろん何を話しているかなんて聞き取れませんが、たぶんそんな話をしてるんじゃないかと思うわけです。

6月21日ヴァロリス

カンヌ駅前のバスターミナルから20分ほどの場所にあるヴァロリスに行ってきました。

晩年ピカソが訪れ、ここで陶芸に目覚めたといわれています。バス停近くの小さな広場にはピカソのつくったブロンズ像があり、ピカソ美術館もあります。バスから見えるカンヌの街や地中海の風景もなかなかです。
午後はふたたびニースに向かいました。これは主におみやげの買出しです。駅前のスポーツ用品店でサッカーフランス1部リーグマルセイユのレプリカユニフォームを買いました。

2007年7月9日月曜日

6月20日グラース

二日間遠出をしたこともあり、今日は近場でのんびり過ごすことにします。カンヌの国鉄駅のすぐ横にバスターミナルがあります。グラース行きのバスは頻繁に出ているようで、それに乗って香水の街グラースを訪れました。

グラースは皮なめしのさかんな街だったようでその匂い消しのために香水がつくられたといわれています。カンヌからバスで40分くらいでしょうか。山の斜面にある街なので陽射がカンヌやニースとはひと味違う印象です。街並みもただの石づくりというより多少黄色がかった感じでコントラストが強く感じられます。

坂道を降りたり、登ったりして、旧市街の広場やステンドグラスがきれいなノートルダム・デュ・ピュイ大聖堂教会、香水工場を見て、お昼を食べて帰ってきました。カンヌから離れると多少物価も安いみたいです。

6月19日アルル~フォンヴィエイユ~マルセイユ(2)

アルル発13時48分マルセイユ行き。
この列車を逃すと今回の旅でマルセイユに立ち寄ることはできません。やはり14時~16時という時間帯は列車の本数が著しく少なくなるのです。次に来る列車は17時。マルセイユで乗り換えて、カンヌに20時過ぎに着くほぼ最終列車です。
駅に着いて次の列車の時刻を確認しようと思ったら、なんとマルセイユ行きが30分遅れ。助かりました。この旅、思いのほかついています。
列車は30分以上遅れてアルル駅に到着。40分ほどでマルセイユに到着しました。

夜9時過ぎても明るい南仏は15時から17時くらいの西日がいちばん暑く感じられます。マルセイユに到着したのがちょうどその灼熱の時間帯。方々歩き回った疲れもあって、軽く散策するにとどめることにしました。
まずはどこに行ってもお決まりの駅舎の撮影。着いたらすぐに駅の写真を撮っておくと後で写真を整理するときに便利です。マルセイユ駅は少し小高い場所にあるので、まずその見晴らしにびっくりします。そして遠くにノートルダム・ド・ラ・ギャルド大聖堂が見えます。これが今回の旅の最後の世界遺産です。

とにかく暑いので旧港あたりを歩いて、石鹸のお店を見たりするも力尽き、凱旋門を見て再び駅に戻り、ビール休憩。
帰りの列車は18時1分発。自動販売機で切符を買って待っていたら、またもや30分遅れの表示。どうやら後で聞いた話ではモナコでストライキがはじまって、その影響もあったとか。ビールを飲みながらぼんやり切符をながめているとどこかおかしい。カンヌからアビニョンTGVまでひとり40ユーロくらいだったのに、帰りのマルセイユ~カンヌが3人で30ユーロちょっと。よくよく見るとクーポンを持っている人用の切符らしい。一応ちゃんとした切符に変えてもらおうと切符売り場に並ぶも長蛇の列がなかなか前に進まない。そうこうするうちに遅れた列車がやってきたのでそのまま乗ることに。
検札が来たら、罰金とられるかもと思うと憂鬱で、しかもフランス語であれこれわからないことを言われるのも面倒なので、フォンヴィエイユのタクシーのときみたく、またまた仏作文します。《J'ai achete ce billet avec un coupon freqence. Mais je n'ai pas de coupon. Je voudrais demender l'addition, s'il vous plait. 》
念のため仏文科出身のYK氏に見せると「だけどぼくにはクーポンがない…、泣かせますねこのフレーズ」と爆笑されました。
かくしてマルセイユからカンヌまで2時間少々の旅。結局検札はあらわれず、名作文は日の目を浴びることはありませんでした。


2007年7月8日日曜日

6月19日アルル~フォンヴィエイユ~マルセイユ(1)

世界遺産の旅二日目。
前日スーパーで買い込んだパンとハムとコーヒーで朝食をすませ、駅に向かいます。めざすはアルル。案内表示通りのホームで待っていたら、どこからか列車がやってきて、ずっと止まっています。が、行き先がマルセイユ行きではありません。マルセイユ行きはいつ来るのかとどきどきしながら待っていたら、発車直前にホームの表示が変わって、マルセイユ行きに。はやく来て待っていたわりにはあわてて乗り込んで、冷や冷やものです。
アルル駅には40分ほどで到着。駅を降りて歩き出すとすぐに石造りの建造物が見え隠れし、世界遺産のにおいがぷんぷんします。

まずはお目当ての円形闘技場へ。ここも古くて大きくて石です。今でも闘牛が行われているそうです。客席のいちばん高いところから見渡すプロバンスの街並みと山並みは圧巻です。その下をローヌ川が静かに流れています。

続いて古代劇場、市庁舎、サントロフィーム教会と見て、ゴッホの絵でおなじみのカフェ・ヴァン・ゴッホへ。一応お決まりのアングルで写真を撮りました。あと共同浴場を見て、モノプリでビールを買って駅に戻りました。アルルは観光名所がまとまっているため、非常に効率よく見てまわることができます。9時過ぎに着いて、1時間半ほどの散策でした。

11時10分にフォンヴィエイユに行くバスが来ます。フォンヴィエイユにはドーデの『風車小屋だより』の舞台となった風車があります。早起きしたご褒美にとバスに乗り込みました。バスに乗って30分ほどでフォンヴィエイユに到着。降りるときに近くに座っていた老夫婦が風車小屋に行くには右に行くんだよと教えてくれました。厳密にいうとそんなに明瞭に聴きとれたわけではなく、<ムーラン>と<ドロワット>が聴きとれたのでたぶんそう言っているんだろうと推測しただけです。

バス停から歩くこと15分ほどで赤い屋根の風車小屋が見えてきました。まわりには何もありません。あるのは風車小屋だけです。圧倒される何もなさです。のどか過ぎる光景です。20分ほどぼんやり過ごして、バス停に戻りました。
さてアルルで時刻表を見たときには13時10分発のバスがあって、これに乗れば13時48分のマルセイユ行きに乗れると思っていたのですが、帰りのバス停で時刻を見ると次は14時10分となっています。ちょっとショックです。とりあえずお昼でも食べて、そのお店でタクシーを呼んでもらおうと考えました。下手にしゃべってわからなくなるより、紙に書こうということになって、《Appelez nous le taxi pour Arle, SNCF.》とメモ用紙に書いて店員に見せたら、どうやら通じたようす。後で考えると《le taxi》ではなく《un taxi》ですね。とはいえ、お昼時のせいかタクシーはなかなか来なくて、13時半ころようやく到着。チップを多めに払って店を出、タクシーでアルルに向かいました。
が、しかしアルル駅に着いたのは13時50分過ぎ。アルル駅は閑散としていました。

6月18日オランジュ~アビニョン(2)

オランジュはアビニョンサントル駅から20分ほどのところにあります。駅は小さく、また駅前も静かな佇まいです。めざすはローマ時代の古代劇場。

駅前の道を15分ほど歩くとすぐに見えてきました。巨大な石のかたまりです。35ミリのレンズでは引き尻が足りません。劇場の客席側がサントゥロップの丘と呼ばれる小高い丘になっていて、さっそく登ってみました。オランジュの街が一望できます。もちろん古代劇場も眼下に見えます。舞台の壁面にある像はアウグストゥスです。ローマの征服者たちはこうした劇場や闘技場を次々につくっていったんですね。
市庁舎や広場を見て、駅に戻ります。オランジュには古い凱旋門もあって、やはり世界遺産に登録されているのですが、ちょっと遠いこともあり、午後の残りの時間をアビニョンの観光にあてることにしたのです。
ところが駅に行く途中、時刻表を見てみると1時間半以上待たされることになります。アビニョンで泊まるホテルもさがさなければなりません。どうしたものかとしばし考え、長距離バスターミナルに向かうことにしました。もしかしたらアビニョン行きのバスがあるんじゃないかと思って。
来た道を引き返して地図を頼りにバスターミナルへ行くとアビニョン行きのバスが止まっていました。ちょうど出発するところだったのです。なんとかすべりこんで40分ほどのバスの旅。無事アビニョンに戻ることができました。

アビニョンに着いてホテル探しです。KK氏のおすすめは駅から近いホテルモンクラール。親切な日本人のスタッフがいてアパルトマンタイプの部屋を見せてくれました。キッチン付き、シャワー付きで1泊90ユーロ。3人で泊まるなら安いもんです。で、即決。部屋で少し休んで、アビニョン観光に出発しました。

まずは法王庁宮殿を見て、サン・ベネゼ橋を見て、オペラ座や市庁舎も見て…とお決まりのコース。この一帯がアビニョン歴史保存地区と呼ばれる世界遺産であります。とりわけ法王庁はその巨大さと壁面の質感に圧倒されます。

城壁の外を歩いて遠くからサン・ベネゼ橋を見てみたいと思ったのですが、あいにくの雨。城壁内をくまなく散策して、はやめの夕食をとって、本日の行程は終了としました。


6月18日オランジュ~アビニョン(1)


今回の旅行でいちばん行きたかったのが、アルルやアビニョンなどプロバンス地方の世界遺産めぐり。トーマスクックの時刻表や観光ガイドを駆使して入念に計画を立てて望んだつもりなんですが…。
アビニョンTGV行きの列車を前日のうちに購入。7時過ぎにカンヌ駅に着いてホームへ。列車を待っているとどうやら番線が変更したようす。みんなぞろぞろと移動をはじめる。遅れまいとぼくとYK氏、KK氏も移動すると、やってきました、TGV。でも待っていた列車よりも編成が長い。とりあえず乗り込んで座席指定の場所に移動しようとするもどっちにいけば何号車なのかさっぱりわかりません。そうこうするうちまあ空いてる席に座って乗務員が来るのを待つことに。で、車内のアナウンスを聞いてみるとどうやらパリ行きだと言ってます。列車番号も違う。カンヌ駅で列車を待つ緊張が徐々に解けてきて、少しはリスニング能力が高まってきたようです。
ぼくらが乗りたかったのは7時34分発のリヨン行き、列車番号は6854。でも乗っている列車はどうやらパリ行き。時刻表を見るとカンヌ発7時39分、列車番号6172。どうやら後から来るはずのパリ行きが先に来てしまったようです。あるいはカンヌで番線が変更になったのはパリ行きだけで、リヨン行きは予定通りのホームに到着したのかもしれません。
こんなことは海外旅行にはつきものだし、どうやらパリ行きのほうが、マルセイユに停車せずにTGV専用線に入るため、リヨン行きより20分はやくアビニョンTGVに着くようです。そう思って、そのまま乗っていようと思ったのですが、ツーロンで大勢乗って来そうなのでいったん降りて、次に来るはずのリヨン行きに乗り換えることにしました。ところがどういうわけかリヨン行きはもう隣のホームに停車していて、駅員の指示であわてて乗り換えるはめになりました。なぜカンヌで後から出たTGVがツーロンに到着していたのかは謎だ。
いきなりいろんなことがありましたが、10時半に無事アビニョンTGV駅に到着。途中エクサンプロバンスを過ぎたあたりで車窓からサンビクトワール山が見えました。セザンヌの絵で名高い山です。


アビニョンはTGV専用線の駅と在来線の駅が離れています。市街は在来線の駅アビニョンサントル駅の間近にあり、TGV駅で降りるとシャトルバスで移動となります。
アビニョンは周囲をぐるりと城壁で囲まれた街です。シャトルバスを降りて、ぼくたちがまず向かったのが、長距離バスターミナル。ポン・デュ・ガールというローマ時代の水道橋を見に行くためのバスをさがしに行ったのです。ところがポン・デュ・ガールへ行くバスは一日数本しかなく、午後のバスに乗ったら、半日をそこで過ごさなければなりません。
ということでものわかりよくあきらめ、お昼を食べて国鉄でオランジュに向かいしました。


2007年7月6日金曜日

6月17日カーニュ・シュル・メール~アンティーブ

カンヌ三日目。
日曜日は休む店が多く、比較的街は静かです。
今日はまた列車に乗って、カーニュ・シュル・メールという街を訪れました。フランスには方々に鷲巣村と呼ばれる山岳都市があります。山の上に城塞を築き、その中に街をつくっています。ニース近郊ではエズやサン・ポールが有名ですが、カンヌから近くて列車で行ける手ごろな鷲巣村がカーニュ・シュル・メールから程近いオー・ドゥ・カーニュです。

国鉄駅は高速道路沿いの寂しい場所にありますが、歩いていくとすぐに商店が連なって、日曜にもかかわらずちょっとした賑わいを見せます。まずはひたすら歩いてルノワール美術館をめざします。市街地を越え、少し小高くなった丘の中腹あたりにあり、けっこう息が切れました。ここは晩年のルノワールが家族と住んだ家だったそうで往時のアトリエなどがそのまま残されています。
隣接するお土産店で絵の具のチューブから絵の具がはみ出ている、長さにして3センチくらいのアクセサリを見つけました。色数も30色くらいあるでしょうか。いくつか選んでリングにぶらさげるようです。チューブが1個5ユーロ。子どもたちのお土産はこれかなと思ったんですけど、何色か選んでセットにするとかなり高価。絵の具ひとつづつでもいいかなとは思ったり、あれこれ迷って結局やめた(ちょっと後悔もしてる。今回の旅行で悔いが残るとすればやっぱりこれかな)。

ルノワール美術館を後にしてオー・ドゥ・カーニュへ。急な坂道を息を切らしながら登ること20分ほど。石畳の道の両脇にレストランやホテルがあります。こんなホテルに泊まったらとても健康的です。ようやくたどり着いた頂上には大きな城、グリマルディ城があって、その前が広場と展望台。レストランやお土産店もありました。
帰りは路地を歩いてみました。狭い路地が迷路のように入り組んでいて、昔宮崎アニメで見たような気がする不思議さです。しかもひとつひとつの路地にもちゃんとなんとか通りと名前が付いています。フランスってどんな道にも必ず名前が付いているって聞いたことがあります。通りの名前と数字が住所になるらしいんです。

急坂を転がり降りるようにして駅に戻りました。このあたりから少し雲行きが怪しくなってきました。後でわかったことですが、駅前からオー・ドゥ・カーニュまでは無料のバスが往復しているそうです。どうりで山頂のレストランにも大勢の観光客がいたわけです。さてカーニュ・シュル・メール駅からカンヌ行きの列車に乗って次なる目的地アンティーブに向かいます。アンティーブは3年前にも訪れた街ですが、駅に着いたときにはどしゃ降り。コートダジュールで見るはじめての本格的な雨です。

小一時間ほど駅前のカフェでサンドウィッチを食べながら雨宿りしてから、駅の北にあるフォル・カレという城塞に向かいました。16世紀につくられた巨大な城塞で周囲をまわって、写真を撮り、続いて旧市街に。日曜にもかかわらず観光客も多く、また飲食店や食料品などの店も多く開いていてまずまずの賑わいです。市場を見て、改修工事中のピカソ美術館を見て、城壁の上を歩きました。

明日はちょっと遠出するので今日は早めに切り上げ、カンヌに戻りました。

6月16日ニース

カンヌ二日目。
本日午前中はニース観光にあてました。国鉄カンヌ駅からニース・ヴィル駅までは列車で40分ほど。
ニースはカンヌよりもさらに巨大なリゾート都市で、広大なビーチはもちろん、美術館や歴史遺産にも富んでいます。お店もお土産店からスーパー、デパートまでたくさんありますし、観光地ならではのブティックはもちろん旧市街には市場もあります。純粋にリゾートを楽しむということであれば、やはり拠点として定める街だと思います。
ぼくは前回もニースは訪れているので今回は初ニースとなるYK氏、KK氏の案内役としてマセナ広場から海岸沿いを歩いて展望台に向かいました。古い城跡が展望台になっています。
昼食はたまたま長距離バスターミナルの近くですませたので、そのままバスでどこかに行ってもよかったのですが、長旅の疲れもあり、早めに退散となりました。
カンヌにもどって国際広告祭のエントリー手続きをしました。IDカードをもらい、これで会場への出入りが自由にできるようになりました。


6月15日カンヌ到着

南仏カンヌで毎年6月国際広告祭が開催されます。3年前(2004年)にも視察に行っているのですが、今年も視察ツアーに参加しました。
6月15日早朝に成田に集合。午前中のルフトハンザ便でフランクフルトを経由してニースに向かいました。人数的にはかなり大きなツアーで現地で泊まるホテルごとにニース行きの便が異なります。ぼくの乗ったニース行きはフランクフルト着後1時間半後に出発する過密スケジュール便。ただでさえヨーロッパでいちばん大きいといわれるフランクフルト空港で道に迷いそうになりながら、なんとか入国審査、手荷物チェックを受け、ぎりぎりセーフでした。
ニース空港に着いたのが現地時間で17時半。日の長いこの時期のヨーロッパでは夕方というより、日本でいえばいちばん暑い時間帯です。原色の光の中、一路バスでカンヌのホテルに向かいました。


ホテルはSNCFカンヌ駅にも国際広告祭の会場であるパレフェステバルにもどちらも程近い距離にあるホテルグレイダブリオン(フランス語っぽくいえばオテルグレダブリオンってとこでしょうか)。星は四つでなかなか大きなホテルです。

ゆっくりする間もなくさっそく買い出しに出かけました。ホテルからモノプリというスーパーマーケットまでは歩いて5分ほど。とりあえず必要な水やビール、そして<51>というラベルのパスティスを1本買いました。ミネラルウォーターはどこででも買えますし、駅には自動販売機もありますが、やっぱりスーパーで買った方が安いですし、硬水より軟水のほうがいいなどといった好みがある場合、選択肢も広いです。

続々とツアー団がカンヌ入りして、レストランにも大勢の日本人が見られます。本日は竹園飯店という中華レストランで餃子と焼きそばというまるで南仏コートダジュールっぽくないディナーでした。