安西水丸展に東京ガスの新聞広告が展示されている。1984年頃の制作ではないかと思う。新聞10段のスペースに大きく安西水丸のイラストレーションが描かれている。この新聞広告は準朝日広告賞や毎日広告デザイン賞に入賞している。若い人たちはわからないが、記憶に残っている60代以上の方は多いのではないか。
古い新聞広告を展示会場で見ることはある。たいていは紙焼きされたものかコピーであることが多いのに、この原稿は新聞の切り抜きだ。紙は茶に変色している。うっすら裏面も透けて見える。想像するに誰かが保管していたものに違いない。大きな広告賞をもらった安西水丸が自ら掲載紙を切り抜いて、だいじにファイルしていたのではないか。そんな姿を思い浮かべたりする。
以前、逝去直後に銀座で開催された安西水丸展に南房総千倉町で少年時代を過ごした彼のノートや絵が展示されていた。大学時代の卒業制作、そして電通クリエーティブ局時代にたずさわった雑誌広告も(今回ももちろん展示されている)。きっと本人がだいじにとっておいた愛おしい作品の数々に違いない。
東京ガス新聞広告のアートディレクターを僕は昔から知っている。昔から知っているが、SNSで友だちになったのはつい最近のことだ。もちろん向こうはおぼえていない。30何年も昔のことだから。4月に展示を見たあと、アートディレクター氏に連絡をとると僕もぜひ見にいきたい、付き合ってくれないかと誘われた。それでも二度目の訪館となったのである。アートディレクター氏は「都市ガスってフェミニストね」というキャッチコピーを書いたコピーライター氏にも声をかけた。当時のクリエーティブスタッフと展示を見てまわり、館内のコーヒーショップで長いこと歓談した。
東京ガス新聞広告のアートディレクターを僕は昔から知っている。昔から知っているが、SNSで友だちになったのはつい最近のことだ。もちろん向こうはおぼえていない。30何年も昔のことだから。4月に展示を見たあと、アートディレクター氏に連絡をとると僕もぜひ見にいきたい、付き合ってくれないかと誘われた。それでも二度目の訪館となったのである。アートディレクター氏は「都市ガスってフェミニストね」というキャッチコピーを書いたコピーライター氏にも声をかけた。当時のクリエーティブスタッフと展示を見てまわり、館内のコーヒーショップで長いこと歓談した。
素敵な土曜日だった。
『役に立たない日々』『私はそうは思わない』い続いて三冊目の佐野洋子。天真爛漫なエッセーである。
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