先週末あたりから左の奥歯が痛み出した。なんとなく腫れているような気もする。感触としては過去に治療したところの根っこのあたりが化膿しているみたい。
で、昨日K先輩の歯科医院まで飛んでいく。場所は埼玉の草加。半蔵門線に乗って、押上を過ぎると東武線に乗り入れる。最初の駅は曳船。このあたりで見る東京スカイツリーはとてつもなく大きい。ちょっと途中下車して近隣を散歩してみたい衝動に、ふだんであれば駆られるのであるが、こうも奥歯が痛いとそんな気も起きない。
K先輩に奥歯を深く削って、とりあえず中にたまっているガスを出せばいくらか楽になると言われ、激痛をこらえた。
こんなとき先輩後輩の間柄は都合がいい。先輩にしてみれば、多少の痛みくらいで後輩が騒ぎ出すとは思わないし、後輩もよくできたもので先輩には絶対逆らわない。
治療が終わって、先輩の部屋でお茶をご馳走になりながら、「かなり痛かっただろ」と訊かれたが、「いいえ、合宿の筋肉痛にくらべれば…」などとわけのわからない会話が絶妙な呼吸でやりとりされる。
今日はいくぶん、痛みは引いたが、まだ腫れはある。
カテゴリーの分類がもともと大雑把なので“エッセー・紀行”にしてみた。たいていこの手の本は新書が多いのだが、最近は文庫にもこのような啓発的なテーマの本が増えている。
日垣隆という著者のことをほとんど知らずに読んだのが、ノンフィクションライターであるらしい。広告の仕事をしているととかく当たり障りのなく、誰も傷つけない表現を選ぶ。そしてそういう習慣が身についてしまうのだが、ジャーナリズムの一線で、しかもフリーランサーである筆者の文章はシャープで明快、読んでいるこちらがはらはらしてしまう。自分の書いた文章に対する幾多の攻撃と闘ってきた人なのだろう。
かつて『知的~』と題される書物は多かったが、この本の成功は自らの主張を貫く強い表現(冗談でさえ素直に笑えないほどの)と“ストレッチ”と名づけたそのタイトルにあるといえる。これから社会の荒波に飛び込んでいく若者はもちろん、仕事的には枯れてきた世代にも刺激になる一冊である。
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