犬を飼うようになってじきに16年になろうとしている。うちには雄のチワワが2匹いる。いっしょに生まれた。義妹の飼っているチワワがたくさん仔犬を産み、雄2匹をうちで引き取ることになったのだ。
犬のいる生活は楽しいものだった。もちろん今でも手間がかかるけれども楽しい。Gは小さい頃から活発で愛想を振りまいていた。Jというもう1匹はわが道をゆくであまり構われたがらない。同じ親犬から産まれたのにずいぶんと違う。そしてそれぞれ年を取ってきて、それぞれ薬やサプリメントなどのお世話になっている。
Jは大抵の餌を食べるが、Gはなかなか面倒で昨日食べた餌を今日食べなかったり、餌の時間はほとんど食べず、真夜中に起きてきては突然食べはじめたりする。そしてGは心臓の薬と利尿剤を摂っているせいもあるが、けっこう頻繁に粗相する。年を取ったなと人のこと、いや犬のことは言えないが。
新型コロナ感染拡大で在宅ワークになった頃は毎日のように散歩に連れて行った。それまでは仕事が休みの土日にしか散歩に連れて行けなかったのだ。着替えなどしていると散歩だと気づくのだろう。わんわんきゃんきゃんはしゃいで玄関に向かっていた。外に出るやぐいぐいリードを引っ張って歩き出す。
2~3年前くらいからGが散歩に出なくなった。行こうといえば玄関まで来る。リードをつける。門まで歩く。外に出る。するともう帰ると引き返す。仕方ないからまた玄関に戻って、脚を拭いて部屋に戻す。それからJと散歩に出かける。Jの歩く距離も少しずつ短くなる。小さい頃は1~2キロくらい平気で歩いてたのに、それが1キロになり800メートルになり、500メートルになり、やがて300メートルになり。去年の夏の猛暑でサボりがちになり、今ではたまに外を好きに歩かせるだけである。散歩していた頃がただただ懐かしい。
小川洋子のエッセイを読む。うちの犬たちが毎日元気に散歩していた頃を思い出した。

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