今月のはじめだったか、家内が買い物に出かけたら臨時休業だといって帰ってきた。少し前には新聞にチラシがはさみこまれていて、今どき臨時休業っていうのはきっとあれかね、新型コロナの感染者が出たのかね、などと話をしたばかり。案の定、陽性者が出たようでしばらく臨時休業が続いていたが、一週間ほどで営業を再開した。その間の買い物は別のスーパーBを使った。
先週、こんどは僕がスーパーAまで買い物に行くと灯りが消えていて、入口に臨時休業の貼り紙がある。またしても陽性反応者が出た模様。仕方なく、とぼとぼと駅前のスーパーBまで歩いた。どちらかといえばこちらのスーパーBの方がいつも混み合っていて、保菌者が多そうな印象だが、こればかりは目に見えるものではないからわかりようがない。比較的空いている(というよりたいてい空いている時間に行くのであるが)スーパーAからひと月にふたりも感染者が出るなんてちょっと信じがたい気もする。
いずれにしても新型コロナウイルスは、思いのほか身近なところまでやってきている。耳をすませば足音が聞こえてもおかしくない。
阿川弘之の作品をほとんど読んでいない。鉄道ファンで知られていたようで、以前『お早く御乗車願います』という乗りものエッセーと『山本五十六』くらい。
娘の阿川佐和子にも多くの著書があるけれど、やはり読んだことはない。たいがいの本の装丁を和田誠が担当していて、書店で平積みされていると目立つ。目立ちはするけれど、手にとることはほとんどなかった。
この本は長女がどこかから手に入れてきた。和田誠への追悼エッセーが掲載されているという。僕が和田誠ファンだということを娘は小さい頃から知っている。
阿川佐和子は、ときどき和田誠とバーで待ち合わせて、いろんな話を聞かせてもらったという。なんどもうらやしい話ではないか。