高校野球では公立校を応援している。
公立出身だからといえばそれまでだが、甲子園に出場する都道府県立、市立の高校に肩入れする傾向がある。そういった点からすると今年は都立小山台が東東京大会で決勝進出し、甲子園の選手権大会でも秋田県立金足農が決勝に進んだ。両校とも最後の試合で涙をのんだわけであるが、よくやったと許してしまうのも公立ファンならではかも知れない。所詮は選び抜かれた野球エリートが集まる強豪私立にかなうわけがないのだという甘えがある。そういったゆるさは嫌いじゃない。
個人的に蕎麦屋を三種類にわけている。ひとつは「町蕎麦」と呼んでいる普通の蕎麦屋である。基本出前をしてくれる。その対極にあるのが「老舗蕎麦」であり、かんだやぶや室町砂場を筆頭に昔ながらの名店である。きちんと線引きできるかどうかは実は微妙なところで、たとえば神田のまつやは老舗でありながら、限りなく町蕎麦屋に近いと思っている。
もうひとつが「独立系」で主として老舗系で修業を積んで独立したり、脱サラして夢をかなえた蕎麦屋である。基本的に少しおしゃれで少し値の張る蕎麦屋であることが多い(僕があまり行かない蕎麦屋でもある)。
お昼からちゃんとつまんで、お酒を呑むなら迷わず老舗系を訪ねる。日常的に昼食ということであれば町蕎麦屋に入る。はじめて訪れた町で鄙びた蕎麦屋ののれんをくぐるときのわくわく感は何ものにもたとえようがない。
もうひとつの蕎麦屋を忘れていた。「立ち食い系」である。これまで立ち食いそばは町蕎麦屋の下に位置付けていたきらいがあった。だがここ半年以上、都内の立ち食いそばを食べ歩いてみて、立ち食いそばは町蕎麦の一ジャンルであると認識を改めた。
著者の坂崎仁紀の提唱する「大衆そば」はそれまでの僕の蕎麦に対する考え方に大きな変革をもたらしてくれたのである。
そして今日のお昼も迷うことなく、大衆そばだ。
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