2017年4月23日日曜日

平松洋子『ステーキを下町で』

平松洋子というエッセイストがどんな人なのか知らなかった。
日比谷図書文化館の二階をぶらぶらしていたとき『焼き餃子と名画座』という単行本に目がとまった。おそらくその前に月刊誌『散歩の達人』最新号をながめていて、町中華のコーナーでうまそうな餃子の写真を見たせいかもしれない。
サブタイトルには「私の東京味歩き」とある。川本三郎かと思った。
ぱらぱらとページをめくってみるとおもしろそうだ。借りてみようかと思ったけど貸出カードをうちに置き忘れてきている。とりあえず平松洋子という名前だけおぼえて帰ることにした。帰り途、特に読む本もなかったので電子書籍のサイトで検索してみた。『サンドウィッチは銀座で』と『ステーキを下町で』があらわれた。おもしろいそうだからぽちっと買ってしまった。
というわけで平松洋子との付き合いはさほど長くはない。せいぜい半月程度の間柄だ。ついこのあいだ銀座でサンドウィッチを食べ終わった、いや『サンドウィッチは銀座で』を読み終えたばかりだ。あまりよく知らない著者の方からおいしい話ばかり一方的にいただいているのも大人としていかがなものか思い、こんどはグーグルで検索してみた。
電子化されていない書籍もたくさんある。そのなかに『ひさしぶりの海苔弁』という本の装幀が目に飛び込んできた。表紙イラストレーションも挿画も安西水丸。ああ、これなら知ってる、見たことある。
そうか、海苔弁の人だったんだ。
まだ知り合って(知り合ったわけじゃない、こっちが勝手に知っただけだ)、まだ半月しか経っていないというのに俄然親しみがわいてくる(どうでもいいことだけど歳も僕に近い)。なんだはやく言ってくれればいいのに的な錯覚。安西水丸の『a day in the life』の書評を書いている。きっとただならぬ関係だったのだろう。
それはともかく東向島にステーキを食べに行こう。そして6月になったら有楽町であじフライだ。

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