2016年7月21日木曜日

横山秀夫『64』

7月。ふたたび長崎波佐見町を訪れる。
水神宮に奉納される天井画の落成式が行われる。その様子を撮影しに行ったのである。
天井画そのものは6月、銀座アートホールというギャラリーで公開された。今回、天井画の創作にあたった画柳会という同人が毎年この時期、展覧会をひらく。中央に男神、女神の大きな2枚の絵。そのまわりを思い思いに描かれた48枚の天井画が飾る。なかなか勇壮である。
この展示を終えて、天井画は長崎に送られた。波佐見町では地元の総代で大工の里山一郎さんが待っている。一週間かけて、一枚一枚をはめ込んでいく。最後の一枚を落成式前日、つまり僕たちが到着した後、はめ込んでもらう予定だと聞いていた。作業風景を撮影させてもらうためだ。ところが空港からレンタカーで水神宮に駆けつけると、天井画は一枚の漏れもなくはめ込まれていた。人づてに聞いた予定なんて、まったく当てにできない。完成した天井画を撮影して、明日の落成式でどこから撮影するか、カメラの置き場所や段取りを打ち合わせして撤収。ありあまった午後の時間は波佐見町の風景を撮ることに費やした。
以前から見てみたかった鬼木郷の棚田や4月にじゅうぶんに見ることができなかった中尾山の窯元などを見てまわり、旧波佐見町立中央小学校の講堂兼公会堂を見に行く。この建物は昭和12年旧波佐見高等尋常小学校の講堂として建てられ、平成22年に国の登録有形文化財に指定された。内部も改装され、きれいなホールになっているらしいが、あいにくその日は見ることができなかった。小学校は移設されているが、この跡地には卒業生たちがつくった陶磁器の絵や校歌を記した碑など長年にわたって積み重ねられてきた思い出が随所に見られる。まさに小学校の遺跡だ。
横山秀夫は以前『クライマーズハイ』を読んだが、『64』もいいと聞いて、読んでみた。映画化もされ、小説とは違ったおもしろさがあるという。今度観てみようかな。

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