2012年1月3日火曜日

飯田哲也『エネルギー進化論』


謹賀新年。

以前ル・モンド紙で再生可能エネルギーに関する記事を読んだ。
原子力発電に大きく依存しているフランスでは小規模で電力量の調整が利く発電設備が待たれていた。その主力は再生可能エネルギーによるものなのだが、バイオエタノールなど植物由来の燃料は食料危機を招くであるとか、風力発電は野鳥の生態系をこわすなど悲観的な論調だった。などと書くと日ごろル・モンドをよく読んでいる人に思われるかもしれないが、たまたま聴いたラジオフランス語講座で放送していただけだ。
たしかにかつては太陽光発電や風力、潮力、地熱などの発電力はたかが知れていた。秋葉原のパーツショップで見かける太陽光パネルはけっこうな大きさなのに電力量はたったこれだけなのか、と思った記憶がある。何基もの原子力発電所に変わる電力量を生産するなんてことは自然エネルギーでは不可能なのだ、という先入観を植えつけられていた。
ところがどうもそうじゃないらしい。なぜ菅直人が脱原発を唱えるのか、孫正義がエネルギー政策の転換を求めているのか。こうした動きにはそれなりの根拠があったということだ。ぼくたちはただ「知らなかった」のであり、よくない言い方をすれば「知らされなかった」のだ。
ただエネルギーの生産と消費の構造を変えていくことは単に電気のつくり方や流れを変えることではない。もっと根本的な日本のしくみを変えることでもある。そういった意味でこの本は多少数字が苦手だと思う人も電気のことに興味のない人も一読する価値はある。
筑摩書房の人がおすすめの本として紹介していたが、べつに筑摩書房の人じゃなくてもおすすめできる本ではないかと思う。
そうだろ、トヨシマ。

というわけで今年も細々とブログ続けます。よろしくお願いいたします。

2 件のコメント:

  1. 謹賀新年
     
     今年もよろしく・・・と10年以上会っていないのにここで書くのは実感が湧かないのはアナログ人間のせいか。
    その通り、筑摩の社員でなくてもおすすめです。
                           豊島

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  2. トヨシマ、コメントありがとう。
    メール出そうと思って名刺を引っ張り出したら、
    アドレスがなかったんだ。
    蔵前方面はメールの回線引かれてなかったんだっけと
    思うなど。
    まあ、そのうち割り出してメール送るよ。
    四ツ谷の、あのいい焼鳥屋、健在だったね。

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