汐留アドミュージアム東京。
今年のTCC(東京コピーライターズクラブ)グランプリはサントリーBOSSの宇宙人ジョーンズ。このCMは缶コーヒーというカテゴリーの中だけでなく、広く広告表現として新しさを感じた。宇宙人ジョーンズさえいなければなんてことない日常。その舞台が広告のビジュアルとして新鮮に見せられたことが勝因だろう。
TCC賞の中ではやはりサントリーの黒烏龍茶(ポスター)。「中性脂肪に告ぐ」というシンプルなコピーが王道的な食シーンと相俟って、商品を一気に定番化したように思える。
それとリクルートのリクナビ、山田悠子の就職活動篇(TVCM)。就職活動の当事者ではとっくにないのに、やたらと共感できてしまう。
審査委員長賞のニューバランスジャパン「たいていは、抜かれる。ときどき、誰かを抜く。景色のいい場所では、歩くこともある」、リクルート商品オープン告知「知名度だけは一流の会社で働くより、知名度だけが二流の会社で働きたい」、アースデイ・エブリデイeco japan cup 2006「エコロジーで大儲けする人がいないと、環境問題なんて解決しない」はいずれも秀逸なコピーで審査委員長のチョイスを評価したい。
最高新人賞はユニロードという作業着屋のポスター。「作業着で定食屋に入ったら、ごはんを大盛りにしてくれた」、「作業着で覚えた仕事は、忘れない」などコピーの背後にある企画(ストーリー)がしっかりしている。新人賞は「国の名前は、だいたいスポーツで覚える」とか「46歳じゃない。高校31年生と呼んでくれ」などやはり企画がしっかりしていてこそのコピーが多かった。
多様なメディアを駆使する広告が増えている。表現媒体にとらわれないベースとなる企画の重要性があらためて認識された結果が今年のTCC賞ではないだろうか。
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